「和食」に続き「富士山」も世界遺産になるなど、日本が世界から注目されています。アニメなどのサブカル文化への関心の高さもあり、世界中の人が日本にくるようになっています。また、2020年の東京オリンピックや、少子高齢化の労働力不足によって、今後、いっそう海外の人びとが日本を訪れるようになるでしょう。 でも、私たちは海外の人に、「日本」をちゃんと紹介できるのでしょうか。そう警鐘を鳴らすのが、「ミスター円」と呼ばれた榊原英資さんです。榊原さん自身、大蔵省の官僚時代には何度も海外に行き、いまでもひんぱんにいろいろな国へ会議や講演で訪れています。そこで感じることが彼らは日本にとても興味を持っていて、日本がほんとうに好きなんだ、ということです。 榊原さん、ハーバード大学で准教授として「日本経済」の講座を担当したことがあります。そこで学生から質問されるのは、経済のことよりも、日本の古典や宗教、天皇についてだそうです。「ミスター円」と呼ばれ、経済外交の最前線で世界のトップと渡りあったときも、同じようことを感じたそうです。 そのような思いから書いたのだ『仕事に活きる教養としての「日本論」』です。日本人は英語ができない、もっと勉強する必要がある、と言われます。語学の習得は必要ですが、それ以前に、教養がない、日本についてよく知らない。だから、会話ができない。でも、これからそういう教養こそが、ビジネスに必要だ。そう世界中、まわって実感したそうです。 これから、ビジネスの第一線で活躍する人たちは、活躍の舞台を海外へと広げて、外国の人びとと接することが増えていくでしょう。そのときに、この本で得た教養や知識を武器にすれば、きっとグローバルな世界でいっそうな活躍ができると信じています。
書名:仕事に活きる 教養としての「日本論」著者:榊原英資
発売日:2014年8月22日
定価:1512円(税込)