「日本人の個人主義は、欧米人の個人主義と違い、キリスト教というバックボーンがないので、自分だけの利益だけを考えて行動する利己主義、あるいは世の中の秩序や価値を全て否定する虚無主義に陥るおそれはないでしょうか」
本書『日本人の個人主義』(東京図書出版)の著者、真水一滴さんはそう問いかけています。人間にとって一番大事なものは人間のいのちでしょう。その起源は、地球上に生物が初めて誕生したといわれる38億ないし43億年前にさかのぼります。そこから延々といのちのリレーはくりかえされてきました。
また、人のいのちのつながりは、縦にだけでなく、横にもつながっています。30世代、約900年さかのぼると、自分の親の親は約10億人にふくれあがります。人類が誕生したといわれる20万年前までさかのぼると、民族を超え、人種を超えて、世界中の人々とつながることになります。
そう考えれば、個人は他者の存在を認め、他者を生かして自分も生きる、譲り合うという形で他の個人とかかわるのが理にかなっているといえるのではないでしょうか。
国と国、民族と民族、宗教と宗教とのかかわりあい方も同様でしょう。今後、大規模な気候変動など、地球規模の困難な問題が起こるかもしれませんが、私たち人類は、互いに相手の存在を認め合い、生かしあい、譲り合って、活路を開いていきたいものです。
こうした真水さんの考え方は、夏目漱石の『私の個人主義』(講談社学術文庫)という講演録の<自己本位>という考え方から触発されたものです。
本書には小論「日本人の個人主義」と真水さんの体験をもとに書かれた「雑感」が収められています。人類の進化をふまえた生命論がわかりやすいことばで書かれています。
新型コロナウイルスの感染が広がり、一人ひとりの生き方が問い直されているいま、指針になる一冊と言えるでしょう。
■筆者プロフィール
真水一滴(まみず いってき)
1949年生まれ。神奈川県出身。
学生運動が盛んだった時代に大学を卒業し、司法試験受験浪人後、司法書士になる。
日本国憲法を学ぶ中で、その根本原理とされる「個人の尊厳」を深く掘り下げたいと考え、10年の歳月をかけて綴ったのが本書。
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