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実践者が明かす「フィリピン不動産投資」のメリットと落とし穴とは

  • 書名 フィリピン不動産投資術
  • 監修・編集・著者名町田健登
  • 出版社名ビジネス教育出版社

「貯蓄から投資へ」というトレンドによって、お金を貯める時代からリスクを取りながら自分でお金を増やす時代への移り変わりが加速している。「投資」についての知識は、今や私たちが生きていく上で必要不可欠なものになりつつあると言えるだろう。

投資には株式投資、投資信託、不動産投資など、さまざまなものがある。そして投資対象は国内だけでなく、海外という選択肢もある。
ただ、海外投資と聞くと、「利回りは高いけれど、騙されるリスクも高いのでは」といったネガティブな印象を受ける人も少なくないだろう。

■ブラック企業の社畜生活から抜け出すために「フィリピン投資」を始める

「アジアには四方八方から追い風が吹いている」と語るのは、投資スクールを運営する町田健登氏だ。

社畜生活を抜け出すために、転職をして海外赴任でフィリピンに渡航。しかし、勤め先の環境はさらにブラックだった。そして、その環境から一刻も早く逃れたいという思いで収入の柱を増やすべく町田氏が始めたのがフィリピンでの不動産投資である。

それから約10年。町田氏はフィリピン不動産投資によって安定収入を達成した。そこには大きなメリットとともに、落とし穴や注意点も数多く存在するという。それをまとめたのが『フィリピン不動産投資術』(ビジネス教育出版社刊)だ。

■なぜ「フィリピン」に注目すべきなのか?

町田氏はフィリピン以外の国にも投資の手を広げているが、やはり注目すべきはフィリピンだとしている。

2000年代に入ってから目覚ましい経済成長を遂げているフィリピンは、国民の消費欲の高さや大規模インフラ政策などに支えられ、国内の利便性の高まりやさらなる消費の拡大が予想されている。

その中で不動産にも注目が集まるのは当然のことであり、町田氏が投資を始めた2010年代と比較しても、不動産価格は上昇しているという。また、フィリピンでは外国人が土地を買うことができず、唯一購入できるのがコンドミニアムといわれる分譲マンションだけ。外国人に対する制限が強い環境において、フィリピン人の力でその価値が上昇しているという点は特筆すべきだろう。

他にも総人口1億人を超えながらも、今後も生産年齢となる15~64歳の割合が過半数を超え続ける「人口ボーナス」状態が見込める点も大きい。ただ、もちろんどんな不動産も価格が上昇するわけではなく、日本と比較すると値上がりする不動産が見つかる確率は高いものの、好立地で安価という条件の揃った物件を探すことが求められる。

■「ホテル投資」のメリット・デメリットとは?

前述のようにフィリピンでは外国人は土地を買うことができないため、日本人は必然的にコンドミニアムタイプ(複数の住戸が一つの建物内に存在する住宅形態)の不動産を購入することになる。日本語でいえば分譲マンションをイメージすればいいだろう。

コンドミニアムタイプの不動産には、居住用不動産、ホテル、オフィスなどの形態がある。そのいずれにもメリット、デメリットがある中で町田氏が選んだのが「ホテル投資」だ。

「ホテル投資」とは、1つの部屋を購入し、旅行者やビジネス出張者などにホテルとして貸し出す。1日あたりの収入が高く、利回りが上がる傾向にあることがメリットの一つ。さらに集客はホテル予約サイトに任せることができ、自分で客付けする必要がない。

もちろんデメリットも存在する。まず、物件をホテルとしてリース契約するため、契約が切れるまではその物件に住むことができないこと。2つ目に、購入したホテルによっては想定よりも利回りが出ない可能性があることを町田氏は挙げている。ホテルの運営会社次第で稼働率が変わるため、過去に実績があり信頼できる管理会社を選ぶことが大切になる。

また、本書ではフィリピンのみならず、海外不動産投資全体に通じるリスクについても説明している。例えば「政治的リスク」や「自然災害リスク」、さらにはディベロッパー会社の見極めやお金を持ち逃げしてしまう日本人ブローカーの存在についても言及。初心者はもちろん、ある程度不動産投資に慣れているという人でもハマってしまう落とし穴があることは肝に銘じておくべきだろう。

 ◇

本書はフィリピンに在住経験がある町田氏ならではの視点から、フィリピン不動産投資の実際が明かされている。光があるところには影がある。魅力を感じる部分もあるだろうが、その一方でリスクの面にもしっかり目を向けて、現地にも足を運んでおきたいところだ。

海外投資にあまり馴染みがない、どんな感じなのかのぞいてみたいという人にとっても参考になる一冊。知識や情報を得ることは、投資で成功するための第一歩になるはずだ。

(新刊JP編集部)

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