米国によるイラン革命防衛隊・ソレイマニ司令官の殺害で、世界的に緊張が高まっている。米国メディアによると、米軍は司令官らの乗った車両を無人機(ドローン)で攻撃したという。こうしたドローンの兵器としての利用については、2018年11月に日本でも翻訳刊行された『ドローン情報戦――アメリカ特殊部隊の無人機戦略最前線』(原書房)に詳細に報告されている。
著者の一人、ブレット・ヴェリコヴィッチ氏は米軍で10年以上にわたってテロ対策と情報分析活動に従事した軍用ドローンのエキスパート。陸軍特殊部隊DELTAのドローン技術者・情報分析官として、アフガニスタンやイラクなど、対テロ戦争の最前線を経験し、多くの戦功をあげ、ブロンズスター・メダルや戦闘行動バッジ(CAB)を授与された人だ。
ドローンの性能は飛躍的に向上し、シリアでの人質救出、ソマリアでのテロリスト拘束など海外でのあらゆる作戦行動で活躍しているという。本書によれば、いまやワシントンの軍事指導者層は、こうした「ドローン革命」を推進してきた人たちだという。
本書では著者が体験してきた、幾つもの「実戦」の様子が再現されている。まるでテレビゲームだ。とはいえ著者は、殺害を決める最終段階では必ず迷った、と書いている。「人違いだったらどうする?」。
本書は、国防総省刊行物安全保障事前審査局などの徹底した事前チェックと許可を得たうえでの出版。きわめてシークレット性の高い情報が満載されている。新時代の戦争の実相を知る格好の一冊だ。
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