3月3日はひな祭りの日。おひなさまを飾って女の子の健やかな成長を願う日だというのを知ってはいても「なぜ人形を飾るの?」と聞かれたら、きちんと答えられるだろうか。
「ひなまつりにおひなさまをかざるわけ」(作 瀬尾七重、絵 岡本順/教育画劇)は、親子で楽しみながら、おひなさまの由来を知ることができる絵本。
人形にけがれを移し、その年の無事を願うひな祭りの精神を今の子どもたちに伝わるよう、両親を亡くした3人兄弟と末っ子の妹「おはな」が登場する創作ストーリーが描かれている。ある日、熱で寝込んでいたおはなを、兄が作った木の人形が治してくれるという話で、兄妹の心あたたまるエピソードとともに、ひなまつりの由来に興味がもてる内容となっている。
著者の瀬尾七重さんは、1967年「ロザンドの木馬」(講談社)で第8回講談社児童文学新人賞佳作、1987年「さようなら、葉っぱこ」(講談社)で第11回日本児童文芸家協会賞、1998年「さくらの花でんしゃ」(PHP研究所)で第9回ひろすけ童話賞を受賞した童話作家。絵を担当した岡本順さんは、「NHK中学生日記」(ポプラ社)や、2011年に第17回日本絵本賞を受賞した「きつね、きつね、きつねがとおる」(ポプラ社)のさし絵も手掛けている。
巻末には、ひな祭りの由来を解説したコラムもある。ひな祭りは、古代中国で行われていた川でみそぎをする風習と日本に伝わる祓いの行事が結びついたといわれている。かつては紙で作られた人形を川に流していたのが、精巧な人形に変化し、いつしか飾られるようになった。
「ひなまつりにおひなさまをかざるわけ」(教育画劇)は、日本の行事を知る全8巻の「行事の由来えほん」シリーズのひとつで、ほかに子どもの日や母の日、七夕などの絵本もある。
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