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松嶋菜々子がハリポタ作者の名作を読み聞かせたら...「今まで出したことのないような声」

イッカボッグ Audible版

 ジャンルを問わず、さまざまな名作を音声で楽しめるAmazonのaudible(以下、オーディブル)。時々、「え!あの人が読んでるの?」と思うような大物俳優や声優、アナウンサーがナレーションを担当している。

 あの『ハリーポッター』シリーズの作者、J.K. ローリングさんが書き下ろした童話『イッカボッグ』を朗読するのは、女優の松嶋菜々子さんだ。

スピットルワース卿がレディ・エスランダに恨みを抱いていることを、フレッドは知りませんでした。スピットルワース卿自身がレディに結婚を申し込み、断られたからなのです――。

 「スピットルワース卿」なんて舌を噛みそうな名前も滑らかに、しっとりと美しい声で読み聴かせてくれる。

 松嶋さんは朗読した感想を聞かれ、次のように話している。

これは、読み聞かせの延長ではないですね、もう。
映像化が楽しみだなって思うくらいの、いろんな要素が詰まっている作品なので。

  確かに、見たこともない想像の国の話なのに、映像がすんなり頭の中に浮かんでくる。作品の世界観に加え、巧みに抑揚をつける松嶋さんの声の効果で、読者の心はファンタジーの世界へと入り込んでいく。

 『イッカボッグ』は、J.K. ローリングさんが数年前、執筆しながら毎晩2人の子どもに読み聞かせていた物語だ。出版せずに「屋根裏部屋にしまい込んでいた」が、コロナ禍でたいへんな思いをしている子どもたちのために改めて読み直し、手を加えて刊行したという。日本語訳は静山社から出版されている。

【あらすじ】
 コルヌコピア王国は、立派な口髭をもつ王様が治める、世界一幸福な国でした。豊かな黄金があり、職人たちが作り出す食べ物は、うれし泣きするくらいの美味しさでした。

 しかし、国の北部にはマーシランドという霧深い土地があり、伝説によると、そこにはイッカボッグという怪物が棲んでいました。人々はみな、イッカボッグなんて、子どもを怖がらせてお行儀よくさせるために創られた伝説にすぎないと思っていました。でも、ある出来事をきっかけに、この伝説が利用されることになります。

 王様の側近たちが自分勝手な都合で、イッカボッグは本当にいると、人々に信じさせようとしたのです。信じない人や、邪魔をする人は、牢屋に入れられてしまいます。そのせいで、王様の人気は陰りをみせ、豊かだった国は荒廃していきます。やがて、不運に見舞われた二人の子どもたちが、望みもしていなかった冒険へと送り出されていきます。

イッカボッグ伝説とその真実、希望、友情の物語が、あなたを待っています。

(C)2020 J.K. Rowling (P)2020 J.K. Rowling (audible 『イッカボッグ』の紹介ページより)

 松嶋さんは、もし本作が映画化され、日本語の吹き替え版が制作されることになったら、「悪役のスピットルワース卿の声をやりたい」と言う。「なぜ悪役なんですか?」という質問に、松嶋さんは笑ってこう返した。

「今まで出したことないような声、出してるんですよ」

 私たちがまだ知らない、松嶋さんの新しい一面を発見できる。オーディブルの作品紹介ページでは試聴ができる。また、インタビューの模様は動画で配信されている。

 ちなみに、『ハリーポッター』シリーズのナレーターは、俳優の風間杜夫さんが務めている。役に合わせて声色を自在に変える芸達者な風間さんの朗読で聴く『ハリポタ』は、映画とは一味違ったワクワク感を味わえる。


※画像提供:Amazon

  • 書名 イッカボッグ Audible版
  • 監修・編集・著者名J.K.ローリング 著、松岡佑子 訳、松嶋菜々子 ナレーション
  • 出版社名Audible Studios
  • 出版年月日2020年11月24日

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