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「プレジデント」が認知症の全対策を特集。新薬「アデュカヌマブ」の効果は?

プレジデント(2021年9月3日号)

 8月13日発売の「プレジデント」(2021年9月3日号)は、「知って安心、知らなきゃ地獄 認知症の全対策」という特集を組んでいる。親世代と子世代の双方の幸せを守るため、起こりうる問題と対処法を徹底解説している。

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画像は「プレジデント」(2021年9月3日号)

 冒頭でベストセラー『嫌われる勇気』の著者、岸見一郎さんが父を介護した実体験をもとに、「不完全な介護でもいい」と割り切る勇気が必要だ、と書いている。認知症の場合、わが子のことも認識できなくなることや、今しがたのことでも忘れてしまうことがあるが、「毎日、初めてこの人に会うのだ」と思って一日を始めるといいと説いている。

 また、認知症の親は自分では何もできない状態になるが、根源的な喜怒哀楽の情動や自尊心まで失うわけではないので、病気になる前と変わらず、親を尊敬してください、とも。

 「介護日誌」をつけ、親にどんな言葉をかけたのか、親がその言葉にどう応じたかを記録するのもいいそうだ。しかし、親をほめるのは避けたほうがいいという。ほめるのは対人関係の構えが縦関係だからだ。そんなときは、「ありがとう」と言えばいいという。親の介護は、人生を知るために、親が与えてくれたチャンスなのだと考えてはいかが、と結んでいる。

アルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」の効果は?

 エーザイと米バイオジェン社が研究開発したアルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」が、米国食品医薬品局(FDA)から2021年6月7日、製造販売の承認を受けた。その意味について、新潟大学脳研究所生命科学リソース研究センターの池内健教授が解説している。

 アデュカヌマブは脳内に蓄積するアミロイドβを減らし、病気の進行を抑制する効果が期待されている。ただし、認知機能が元に戻ることも、病気の進行が止まるわけでもない。

 また、2つの臨床試験が行われ、相反する結果が出ているため、専門家は有効性に疑問を持っている。そのため、「迅速承認」という通常とは異なるプロセスを適用。新しい試験で効果が認められなければ、承認が取り消されるかもしれない。だが、開発が難しく失敗続きだったアルツハイマー病の新薬なので、期待も大きい。日本では早ければ2021年末に厚労省が承認の可否を判断する。ほかにも新薬の開発が進んでいることにふれている。

 このほかにも、認知症の正しいケア&予防法、こっそり判定するチェックリスト、80代でも入れる認知症保険、介助のアイデアグッズなど、認知症にかんする有益な記事が満載だ。

 親を介護する人はもちろん、将来自分が認知症にならないよう心がけたい人にオススメの特集だ。

  • 書名 プレジデント(2021年9月3日号)
  • 出版社名プレジデント社
  • 出版年月日2021年8月12日
  • 定価780円(税込)

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