コロナ禍で複数人での外食が難しくなった。そんな中、外食欲を満たしつつ感染防止もできる方法として「一人飲み」がある。元「アフロ記者」の稲垣えみ子さんも一人飲みに魅了された1人だ。
2021年9月11日『一人飲みで生きていく』(朝日出版社)が発売された。
この本は、「一人飲み」に恋い焦がれて、つまりはさりげなく一人飲みができるヒトにどうしてもなりたくて、しかしどうやればそんなことができるようになるのかさっぱりわからず、仕方がないので徒手空拳で一人飲み修行を繰り返し、ついにその「極意」ともいうべきものを掴み取った私の自慢話......もとい、体験談であります。(「はじめに」より)
稲垣さんによれば、一人飲みは人付き合いが苦手な人にこそぴったりだという。気を遣いながら約束を取り付けて時間を調整して待ち合わせる必要がないし、気が向いたときに「無名の人間」としてリラックスしつつ料理と酒を楽しめば良いのだ。
以下は、稲垣さんが会得した「一人飲みの極意12か条」のうちの一部。
・一人客用の席に座るべし
・間が持たなくなってもスマホをいじってはいけない
・最初の酒は素早く注文すべし
・食べた(飲んだ)後は、店の人に感謝を込めてひとこと感想を伝えるべし
・まずは、カウンターの向こうにいる店の人と会話を始めるべし ほか......
映画「男はつらいよ」の寅さんの影響で一人飲みに憧れたという稲垣さんらしい。
本書にはこのほか、大阪の名店「酒や肴よしむら」の店主にインタビューした「店から見た一人飲み」事情や、イナガキ流家飲み「秒ツマミ」レシピまで紹介されている。
これまで一人で飲みに行く勇気がなかった方も、コロナ禍の今はチャレンジしやすいかもしれない。お気に入りの店を探したくなる1冊。
■稲垣えみ子(いながき・えみこ)さんプロフィール
1965年、愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒。朝日新聞社入社。大阪本社社会部、『週刊朝日』編集部などを経て論説委員、編集委員をつとめ、2016年に50歳で退社。以来、夫なし、子なし、冷蔵庫なし、ガス契約なしの「楽しく閉じて行く生活」を模索中。日本酒好きとしても知られ、イベントを手伝ったり主宰したりと普及活動にも励む。著書に『魂の退社』『寂しい生活』『人生はどこでもドア―リヨンの14日間』(共に東洋経済新報社)、『アフロ記者』(朝日新聞出版)など。『もうレシピ本はいらない』(マガジンハウス)で第5回料理レシピ本大賞料理部門エッセイ賞を受賞。
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