親がだんだん年をとってきたら、介護は誰にとっても他人事ではなくなる。多くの人は親が倒れてから巻き込まれるように介護の道へと入っていく。でも、そのとき、子世代は働き盛りだ。仕事と子育て、介護で身動きがとれなくなってしまったら...。
そうなる前に知っておきたい『マンガでわかる 介護入門』(大和書房)が9月23日に発売された。
待ったなしに迫る「2025年問題」とは、第1次ベビーブームに生まれた団塊世代と呼ばれる800万人の全員が後期高齢者である75歳以上となることによって発生するさまざまな問題を指している。
これにより日本の総人口で1億2257万人のうち、後期高齢者が2180万人となる。つまり国民の4人に1人が75歳という超高齢化社会へと突入するのだ。
遠距離介護ってできるの?
お金ってどれくらいかかるの?
何もわらなかったら、とりあえずどこに聞けばいいの?
突然の介護が降りかかったときに湧いてくる疑問に、本書は介護経験者のストーリーを漫画にして、わかりやすく応えてくれる。
著者の上田さんも両親の介護の現実に直面した当事者の1人。離れて暮らすご両親は、父85歳、母83歳と高齢ではあるが、年齢の割に元気に過ごしていると思っていた。しかし、久しぶりに実家に帰ってみると、父は介護が必要な状況になっていて、介護する母も年を取り疲れてきっていたのだ。このように、突然介護が必要になったら、どのように対応すればいいのだろう?
まずは、介護の総合相談窓口である「地域包括支援センター」に相談してみよう。各地域の中学校区に1つずつ設置されており、無料相談ができるので気軽に窓口の利用をオススメしている。そこで、どんなサポートが受けられるのか、何が必要なのか、次に起こすべき行動がわかる。
他にも、介護保険の負担軽減方策や、使える制度の紹介もある。介護が必要になる前に、親の収入を把握したうえで予算を立てておくと安心だ。
体の機能が衰えたり、重い病気に罹ったりすると、介護が必要になるのは避けられない。「うちの両親はまだ元気だから」と思っていても、いつ何時あなたのサポートが必要になるか分からない。本書にはそのとき、「自分の人生を諦めずに高齢の親と向き合う」ために、ぜひ知っておきたい公的サポートの知識が詰まっている。地域密着サービスなども賢く使って、対応していきたい。
目次は下記の通りである。
1章 「手続き」ってどうしたらいいの?
2章 遠距離介護をうまくまわせ!
3章 呼び寄せ介護で起きたこと
4章 サービスを使い倒して在宅介護!
5章 いくら用意したらいい?お金の話
6章 どんなところがあるの?施設の話
7章 こんなに使える地域密着サービス
8章 実家の片付けは甘く見るな!
いざというときに慌てないよう、気がかりなことがあればなおさら、読んでおくとパニックにならないはず。必要なことをわかりやすく教えてくれる介護入門書だ。
■著者・上田惣子 (うえだ・そうこ)さんプロフィール
イラストレーター歴30年。数々の実用書や女性書などで描いてきたクスっと笑えるコミックエッセイには定評がある。著書に『マンガ 自営業の老後』(文響社)、『うちのネコ「やらかし図鑑」』(小学館)、まんが・イラスト担当に『わがまま養生訓』鈴木養平(フォレスト出版)など多数。
夫と猫4匹と暮らす。
■監修・太田差惠子(おおた・さえこ)さんプロフィール
介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ理事長、AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)。京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」等の視点でさまざまなメディアを通して情報を発信する。企業、組合、行政での講演実績も多数。
著者に『親の介護で自滅しない選択』(日本ビジネス人文庫)、『遠距離介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版)『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと』『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本』(共に翔泳社)など多数。
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