10月8日発売の「プレジデント」(2021年10月29日号)の特集は「楽しい哲学入門」。仕事も人生も、すべて変わる、とうたっている。コロナ禍により家でひとり過ごす時間が増えた今こそ、生き方や周りの人との関係性を見直す好機だ。そのとき、大きな力を与えてくれるのが哲学だ。
特集の冒頭「今、学ぶべき哲学者ランキング」では、「哲学カフェ」を主宰し、市民のための哲学を実践している、山口大学国際総合科学部教授の小川仁志さんが、いま最も注目したい7人の哲学者を紹介している。
「倫理資本主義」を提唱したマルクス・ガブリエル、能力主義に疑問を呈したマイケル・サンデル、孤独になることで幸福になれると主張したアルトゥール・ショーペンハウアーらだ。
公共哲学を専門とする小川さんは、コロナ禍という現状において、これらの哲学者が役立つ考えを示してくれる、と「新しい生き方」を提案している。「何が正しいのか、みんなで確かめ合っていく」「自分の役割に集中し、誠実に動くしかない」「実力も運のうち。エリートは謙虚になるべき」「能力に応じた社会貢献をし、多くを求めない」「使うモノだけ作り、無駄なモノは作らない」「非常事態でも、自由の重要性に目を向ける」「自分が一人であることをポジティブに捉える」など、彼らのことばが響いてくる。
西洋哲学と東洋思想の歴史を振り返り解説した「世界の哲学史」丸わかり教室も、わかりやすい。また、AV監督の村西とおるさんら9人による人生相談も面白い。同僚がバカに見える、親が子を殴っていいか、娘の友人が好き......など、「絶対、口に出せない悩み」を解決してくれる。「失敗するのがどうしても怖い」という相談に、村西さんは「失敗して、死にたくなったら下を見ろ!俺がいる」と挑戦する気構えの大切さを説いている。
大和ハウス工業社長の芳井敬一さんら哲学科出身の経営トップ3人が語る「座右の銘」も興味深い。芳井さんは影響を受けた哲学書として、マルクス・アウレリウス・アントニヌスの『自省録』(岩波文庫)を挙げている。ほかにも、アップルの創業者スティーブ・ジョブズと東洋思想の関係を解説した記事もあり、経営と哲学の思わぬ関係の深さに驚かされた。
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