「菅生大将」から「菅田将暉」ができあがるまでのすべて――。
今月15日に結婚を発表した俳優・歌手の菅田将暉さん。ちょうど同じタイミングで、菅田さんの母・菅生好身(すごう よしみ)さんの著書『3兄弟のあしあと 才能の芽を育んだ菅生家の子育て記』(辰巳出版)が刊行された。
長男・大将(たいしょう)は16歳で「菅田将暉」の名前をもらい、「仮面ライダーW」の主演でデビュー。次男・健人(けんと)は映像制作の仕事をしながら、YouTubeで歌を披露している。三男・新樹(あらき)は大学に通いつつ、モデルやファッションの仕事をはじめたという。
「子どもが花を咲かせ、実を結ぶと信じて、土壌を整え、水や肥料をやってきました。具体的にどんなことをしてきたのかをまとめたのが、この1冊です」
本書は、菅田さんの幼少期から中高生時代までの写真やエピソードをふんだんに盛り込みつつ、3兄弟がどんな子どもだったか、母としてどんなふうに接し、才能の芽を育み、困難に対処してきたかが綴られている。
今をときめく人気俳優の母が、ここまで惜しげもなく披露するケースは稀ではないだろうか。父・新(あらた)さんを含め、とにかく家族の仲がいいことが伝わってくる。
■目次
introduction
息子たちとともに過ごしたこれまで 3兄弟のあしあとを振り返って
第1章 才能の芽を育む子育て
第2章 子どもの感性に寄り添う
第3章 子どもの個性を尊重すること
第4章 親から子へ授けられるもの
第5章 コミュニケーションの豊かさは家庭から
第6章 旅立つ子どもたちへ
おわりに
「才能あるお子さんばかりに恵まれて、幸せですね」と、好身さんはよく言われるという。
そこは謙遜せず、「幸せなのは間違いありません」とキッパリ。ただ、それは才能があるからというより、「それぞれが子どものときから個性を大事にし、自分らしく生きてくれているから」と書いている。
では、子どもが「自分らしく」生きるために、親はなにができるのか。
「3人とも幼いときから現在の道に進む"芽"のようなものが見えていました。そのための特別な教育はしていません。そのときどきで、本人のやりたいことや興味のあることを大事にしてきました。そうすれば、子ども自身がその中から自分に合う芽を選び、育てていくものなのでしょう」
菅生家の場合、3兄弟が別々に才能を伸ばしていったわけではなく、互いに意識し合い、刺激し合い、「アイツががんばっているんだから」と思える、そんな好循環があったようだ。
「人生を生きていくうえでそうした存在がいることは素敵ですし、それが兄弟間でできるなら、なおのこと素晴らしいと思います」
好身さんは「母親のかがみ」と思われることが多いというが、「そんなことはありません」と否定している。
たとえば、毎朝「はよ起きぃ!」「あれ持ったん? 忘れもんないやろね!?」と大声を出していた。当時の家の中の空気はいいものではなく、子どもたちもムスッとしていたという。
そこではじめたのが"怒らないキャンペーン"。「遅刻するやろ!?」と言いたいのを我慢し、よそ行きの声で「おはよう」と言う。ハイタッチしてハイテンションで迎える。すると、子どもたちもノってきて、予想以上の効果が。
「同じ口を使うなら、怒るよりも、子どもをほめることに使いたい。(中略)家の中でほめられて育った子は外でもたくさんほめられるということを、菅生家の3兄弟は証明していると思います」
演技力も存在感も圧倒的な菅田さんだが、菅生家全員パワフルだ。菅田さんの"才能の芽"はこうして育まれたのかと、納得した。菅田将暉ファンなら絶対はずせないのはもちろんのこと、子育てに悩んでいる親御さんにもおすすめの1冊。
■菅生好身さんプロフィール
俳優・歌手菅田将暉を長男とする3兄弟の母。東京・大阪でエステサロン経営。子育てに関する相談や夫婦問題のカウンセリング、講演会やセミナーなどを行う一般社団法人ライフバランス協会代表理事。
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