子育ては、とてもストレスフルなもの。あれもこれもと時間がない、子どもが言うことを聞いてくれない......。大変な毎日で心がすり減り、ついカチンときてしまうことも。
どなったり、手が出そうになったり......もしかして私、「毒親」かも? そう思ったら読んでほしい本がある。『子育てで毒親になりそうなとき読んでほしい本』(主婦の友社)だ。
著者は、精神科医の井上智介さん。井上さんは、「実は誰でも毒親になる要素をもっている」と言う。
親が毒親になってしまう要因は、まず、子育ては嫌でもやめられないこと。仕事は嫌ならやめられるけれど、子育てには逃げるという選択肢がない。逃げ場がないということが、親を追い込んでしまう。
そして、子育ては独自性の高いものだということも要因の一つだ。親はよその家庭の子育てを知ることが基本的にないため、自分の家庭の中で探り探り子育てをしていく。しかも、子育てはとても負担が大きく難しい。それなのに世間では、「子育てができて当たり前」「誰でもやっているもの」というイメージがもたれている。そのために、親は正解がわからない中で「みんなやっているのだから自分もできなくては」と自分を追い詰めてしまうのだ。
こういった子育てのストレスとプレッシャーに心をむしばまれ、誰しも毒親になってしまう可能性がある。
本書では、なぜ毒親になってしまうのか、毒親にならず子どもを健全に育てるにはどうしたらいいのかを、マンガを交えてやさしく解説してくれる。
井上さんが指摘する「毒親の兆候」は、以下の3つだ。
〇家事を完璧にやらないと気がすまない
〇世間的によいとされることは、どんどんとり入れたい
〇子どもがどこで何をしているかを把握しておきたい
いずれかに当てはまったあなたは、毒親予備軍かもしれない。
1つ目の完璧主義の親は、家事だけでなく子どもにも完璧を求めるようになる可能性がある。2つ目の、世間的によいとされることをとり入れたい親は、世間の評価がとても気になる人だ。子どもの気持ちや考えをないがしろにして、世間的によいとされる枠組みに子どもを押し込めてしまうかもしれない。3つ目は、典型的な過干渉の毒親予備軍だ。
「自分も毒親予備軍かも」と思った方は、本書でいま自分がどんな状態にあるのか、どうすれば毒親にならずに済むのかをぜひ知ってほしい。
■井上智介(いのうえ・ともすけ)さんプロフィール
産業医・精神科医。兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動する。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやSNS、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)など著書多数。
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