読み聞かせボランティア歴17年のベテラン・ミモザさんがおすすめ絵本を紹介するシリーズ、「ミモザの読み聞かせ絵本」今回は第5回。紹介するのは、「ナンセンス絵本」です。
感動する絵本、考えさせられる絵本、いろいろな絵本がありますが、ためになるだけが絵本ではありません。ときには、「なんじゃこりゃ?」となる絵本もどうでしょう。わけわかんないけどなんか面白い。そんなナンセンスの世界へいざないます。
『にゅーっ するするする』
長新太 作/福音館書店
地面からにゅーっと手がのびてきて、
自動車を土の中へ、するするする......。
ネコも飛行機もにゅーっとつかまれては、
土の中へとするするする......。
ナンセンスの巨匠・長新太さんの絵本。「にゅーっ」と「するするする」だけで展開する幼児向け絵本ですが、ちょっとホラーで小さい子にはトラウマになりそうなので、ミモザさんは小学校中学年以上にだけ読み聞かせするんだとか。
『いそいでおでかけ』
五味太郎 作/童心社
さるの子がいそいでおでかけ。
あっ、何か気になったみたいです。
いそいでおうちに戻ります。
くつを忘れて、ぼうしを忘れて......。
次はどうしたの?「ぼく、どこへゆくんだっけ」
何度も何度も忘れ物をとりに、おうちへ戻るさるのぼうや。ミモザさんが読み聞かせすると、子どもたちは「名札忘れてる!」「水筒!」と大盛り上がりだそうです。
『かとりせんこう』
田島征三 作/福音館書店
かとりせんこうのけむりがもんもん。
蚊がぽとんぽとん。
お花がぽとん。ぼうしがぽとん。
新聞紙の字がぽとんぽとん......!?
かとりせんこうのけむりは窓から外へ出て、看板がぽとん、UFOがぽとん。ありえない~! でもそれがナンセンスのいいところ。最後はお月さまが涙をぽとんと落とすのですが......。(月がまるごと落ちなくてよかった!)
読み聞かせしていると、「月に目はないよ!」と男の子の声が。でも、月に目があっても、なくてもいいんです。絵本ですから。
『オー・スッパ』
越野民雄 文・高畠純 絵/講談社
ゴリラが、ウマが、ナマケモノが......
いろんな動物が、間違えてレモンをがぶり。
ウオーッ、スッパ。
ヒーッ、スッパ。
ウウウ、スーーーッパーーーーー。
ただただいろんな動物がレモンをかじって、すっぱがるだけ。だけど、しわくちゃの顔とすっぱい悲鳴が絶妙にツボを刺激します。読みながら口の中にツバがわいてくる絵本。
『バースデー・ドッグ』
斉藤洋 作・高畠那生 絵/フレーベル館
最後はちょっと大人なナンセンス。
誕生日、「ハッピー・バースデー!」と、犬が来た。
「ありがとう。でも、きみ、だれ?」
「ミスター・バースデー・ドッグさ」
バースデー・ドッグはソファーでくつろいだり、誕生日パーティーの準備をしてくれたり。夢かと思ったら翌日もまだいて、誕生日が過ぎてもずっと居座って......。まるで村上春樹の小説のような不思議な展開に、スタイリッシュで遊び心のある絵がベストマッチです。
「は?」「なんじゃこりゃ?」という絵本もたまにはいかが? ありえない~! というフィクションの世界を思いきり楽しんで。ミモザの読み聞かせ絵本、次回もお楽しみに。
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