「特定のことにしか関心を強く示さない」「他人と会話をするのが苦手」など、発達障害の特性を持つ人が「会社」という組織の中で仕事をしていくには、困難がつきまとう。
ASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠陥多動性障害)という特性を持つ銀河さんは、著書『発達障害フリーランス 属さない働き方のすすめ』(翔泳社)で、自身の体験をもとに、発達障害を持つ人が自分らしく働くための選択肢として、「フリーランス」を提案している。
上智大学を卒業した後に、新卒で入った会社で営業として働き始めるも、集団行動や暗黙のルール、職場での人間関係に馴染めずに1年ほどでうつを発症した銀河さん。当時の上司からは、「お前は宇宙人みたいだ」などと心無い言葉を浴びせられていたという。
何とか職場復職してから努力を続け、営業成績2 位という結果へとつながったが、またもや人間関係につまずいてしまい、退社することに。
しかし銀河さんは、そこで終わらなかった。前職の同期とともに会社を設立し、さらに自身ではフリーランスとしてコーチングや執筆、営業フリーランス、発達障害の人のコミュニティの運営など、幅広く活動を行っている。発達障害の人と触れる機会も多く、「実は発達障害の人は、特性を上手に活かせば会社員よりフリーランスに向いている人が多いのではないか」と感じている。
そこで銀河さんは、人間関係やスケジュール管理、暗黙のルールに縛られることなく、自分の特性を活かして生きていくために、発達障害の特徴を活かして、思い切ってフリーランスとして働くことを勧めている。
「発達障害を持っている人の多くは、会社員として働くと、協調性のなさや不思議な言動で周囲から正しく評価されないことが多く、自己肯定感が下がってしまいがち」と言う銀河さん。「でも、発達障害の人の持つ特性は、見方を変えれば強みになります」と断言する。
たとえば、「特定のことにしか関心を強く示さない」という特性は、自分にとって興味のある仕事であれば人一倍強い関心を持ちやすいとも言えます。「一つのパターンを繰り返すことを好む」という特性も、特定の作業であれば、飽きずに行えるという証拠でしょう。「他人と会話をするのが苦手」という人であれば、会社にいて四六時中誰かとコミュニケーションをとるよりは、プロジェクト単位で最低限のやりとりをすれば仕事が完結するフリーランスの方が本領を発揮しやすいはずです。(本書まえがきより一部抜粋)
本書では、発達障害の人がフリーランスとして働くための準備のしかたや注意すべき点、悩みやトラブルの対処法、働く人の体験談を詳しく紹介している。「フリーランスになるために絶対欠かせないことは?」「得意なことがない人は何から始めるべき?」「お金の心配や将来への不安とはどう向き合う?」など、気になる疑問にも答えている。
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