2022年のノーベル文学賞に、フランスの作家アニー・エルノー氏が選ばれた。フランス人の女性が同賞を受賞するのは今回が初めて。
エルノー氏は自らの経験をもとに、庶民の立場からジェンダーや階級などの格差を描いてきた。パリの出版社での記者会見でエルノー氏は、「今回の受賞であらゆる社会の不平等と闘い続ける責任を負うことになった」と、ノーベル賞作家としての使命を語った。
女性教師と年下の男性との不倫を赤裸々に描いた代表作『シンプルな情熱』は、日本では早川書房から刊行されており、2021年には同名の映画化作品が、日本を含めた世界各国で公開された。
また2022年12月2日には、中篇「事件」を原作とした映画『あのこと』が日本で全国公開される。人工妊娠中絶が違法であった1963年のフランスで、予期せぬ妊娠をした大学生の苦悩を描いた作品で、映画は2021年のヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した。また「事件」を所収する『嫉妬/事件』が、11月2日に早川書房から刊行される予定だ。
■アニー・エルノー氏
1940年、フランス北部ノルマンディー地方のリルボンヌ生まれ。
1974年、作家としてデビュー。父を語った自伝的な第4作『場所』で84年度ルノードー賞を受賞。つづく第5作『ある女』では母を語り、『シンプルな情熱』では一転して自己の性愛体験を語って大反響を呼び、ベストセラーのトップに躍り出た。
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