(連載名)ミモザの読み聞かせ絵本
「今、読み聞かせボランティアをする若い世代がすごく減っているんです。」
そう話すのは、読み聞かせボランティア歴17年のミモザさん。地域の小学校、公民館、美術館などで、絵本の読み聞かせ活動をしています。ミモザさんは、BOOKウォッチの連載「ミモザの読み聞かせ絵本」で、全10回にわたって、子どもの読み聞かせにおすすめの絵本をさまざまなテーマで紹介してくれました。
連載を終えて、ミモザさんに、読み聞かせについてのお話を伺ってみました。今回は、インタビューの前編をお送りします。ミモザさんはまず、小学校での読み聞かせボランティアの現状について話してくれました。
「今私がボランティアに行っている小学校には、若い世代で読み聞かせをする親御さんがとても少ないんですよ。17年前、ボランティアを立ち上げた当初は、全学年で20人くらいが集まりました。私を含めた設立メンバーは、今でもずっと続けている人が多いんですが、今子どもが小学校に通っている現役世代は、もう3人しかいなくて。消滅するんじゃないかという状況です。
今は共働きのご家庭が多いというのも理由の一つにはあると思いますが、ボランティアに来てくれる人が減っていくのはとても残念です。
絵本は、各家庭では読まれているほうなんだと思います。新しいヒット絵本も、ロングセラー絵本も、次々と売られていますね。『読み聞かせは家で』が主流になってきているのかもしれません。それでも、私は、小学校や公民館などで読み聞かせをしてもらう機会は必要だと思っています」
「小学校での読み聞かせがなくなると誰が困るのかというと、一番は貧しい家庭の子どもたちですね。小学校の司書の先生が、学校図書は全ての子どもたちが平等に本を読める場所だと話していたのが印象に残っているんですが、読み聞かせも同じことだと思います。
小学校での読み聞かせは、貧しい家庭で絵本を買えなくても、親御さんが忙しくて読み聞かせをする時間がとれなくても、どんな家庭の子でも、みんな読み聞かせをしてもらえるという機会なんです。読み聞かせボランティアの仲間が、『学校での読み聞かせがなくなったら、一度も読み聞かせという経験をしたことがない子が出てくるかもね』と言っていました。そういう子どもが増えていったら、とても悲しいことです。
読み聞かせは、自力で読むのとは違った読書体験です。言うなれば、"物語のシャワー"。物語を頭からジャア~ッと浴びるという体験です。物語を浴びて育つ感性が、きっとあるはず。小学校などでの読み聞かせを通して、どの子にも"物語のシャワー"を浴びてみてもらいたいと思っています。」
「読み聞かせをしてもらう」という体験が、一度もできない子どもが出てくるかもしれない......そんな危機感を募らせているミモザさん。後編は、読み聞かせによって育まれる「大切な力」について伺います。
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