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萩本欽一、ココ・シャネルも? 人に気を遣いすぎる「不安型愛着スタイル」の人たち

不安型愛着スタイル

 「人に気を遣いすぎて疲れてしまう」「嫌われていないかいつも気にしてしまう」......そんな悩みを抱えていないだろうか。

 人に気を遣って一生懸命サービスする一方で、自己評価や自己肯定感が低く、少しでも悪い反応が返ってくると落ち込んだり不安になったりしてしまう。そんな特徴に当てはまるあなたは、「不安型愛着スタイル」かもしれない。

 精神科医の岡田尊司さんが、不安型愛着スタイルを持つ人たちの生きづらさやその対処法を、1冊にまとめた。『不安型愛着スタイル 他人の顔色に支配される人々』(光文社)だ。


 近年広く知られるようになった「愛着障害」の中でも、比較的軽度な愛着障害である「愛着スタイル」。その1種が不安型愛着スタイルだ。

 本書では、不安型愛着スタイルの特徴を以下のように表現している。

繊細で、共感性に優れ、サービス精神旺盛で、優しく、献身的な一面とともに、依存しやすかったり、攻撃を受けやすかったり、利用や搾取をされやすいといった弱点を抱え、気疲れや自己犠牲が限界を超えると、心身の不調を来し、ときには別人のように怒り狂う面も持つ。

 「私もそうかも」と思った方もいるかもしれない。不安型愛着スタイルには、男性で1割5分、女性では2割近くの人が該当すると推測されている。

 不安型愛着スタイルについての理解や知識がないと、頑張りが限界を超えてしまい、人間関係に支障をきたす恐れもある。そうなる前に、当事者は正しい対処法を知っておくことが重要だ。

 本書では、実際のケースをもとに再構成した事例のほか、「寝かしつけてくれる人が必要だった」というサガン、"気配り上手"の萩本欽一さん、モンゴメリ、リンカーン、ココ・シャネルまで、数々の著名人の事例も交えて不安型愛着スタイルを解説している。不安型愛着スタイルは、何が要因で、どんな特性を持ち、どう解決すればよいのか? 自分は当てはまらないという人でも、周りに不安型愛着スタイルを持つ人がいるかもしれない。本書でぜひ理解を深めよう。

【目次】
第1章 不安型愛着スタイルの特性
第2章 不安型愛着スタイルを生む要因と背景
第3章 不安型愛着スタイルのサブタイプ
第4章 不安型愛着スタイルへの対応とサポート
第5章 不安型愛着スタイルの克服
第6章 愛着障害の心理療法
最終章 試練が成長を生む
【主な参考文献】
【愛着スタイル診断テスト】

■岡田尊司(おかだ・たかし)さん
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退、京都大学医学部卒、同大学院にて研究に従事するとともに、京都医療少年院、京都府立洛南病院などで困難な課題を抱えた若者に向かい合う。現在、岡田クリニック院長(枚方市)。日本心理教育センター顧問。著書に『愛着障害』『回避性愛着障害』『愛着障害の克服』『死に至る病』(以上、光文社新書)、『母という病』(ポプラ新書)、『夫婦という病』(河出文庫)、『パーソナリティ障害』(PHP新書)、『アスペルガー症候群』(幻冬舎新書)、『発達障害「グレーゾーン」』(SB新書)など多数。小笠原慧のペンネームで小説家としても活動し、『DZ』『風の音が聞こえませんか』(以上、角川文庫)、『サバイバー・ミッション』(文春文庫)などの作品がある。



   
  • 書名 不安型愛着スタイル
  • サブタイトル他人の顔色に支配される人々
  • 監修・編集・著者名岡田 尊司 著
  • 出版社名光文社
  • 出版年月日2022年11月16日
  • 定価924円(税込)
  • 判型・ページ数新書判・264ページ
  • ISBN9784334046354

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