「あのひとには品がある」「エレガントで素敵」とは、どういうところに感じるのだろうか。身なり? 所作? 気遣い? それとも――。
ライフスタイルコンサルタントの横田真由子さんは、大人の女性の「品格力」は「スカート丈」に表れるという。スカート丈とはすなわち、その人の「身の丈」に等しいと言うのだ。どういうことなのだろうか。
「上質なものを少しだけ持つ人生」を提唱する横田さんの最新刊『品格のある女性はスカート丈が美しい 暮らしから日々の装いまで"質を高める"方法』(大和出版)は、大人の女性のエレガンスとは何かを、「装い」「ライフスタイル」「人づきあい」「心持ち」「エイジング」の5つの観点から考察する一冊。
横田さんが「スカート丈は、身の丈」だと感じたのは、パリで大人の女性のスカート丈の美しさに気づいたことがきっかけだ。デザインや素材はまちまちだが、パリの女性は年齢や流行、容姿に関係なくスカート丈が美しいと感じたという。
「自分のスカート丈を知っているということは、自分のことをよく知っているということ。」
自分の「身の丈」を知っている人はブレない芯の強さがあり、同時に他者目線を持っている、と横田さんは指摘する。
「『他者から自分が、どう見えているか』を想像することができ、自分も他者も俯瞰して見ることができている。
想像力は優しさですから、内面もバランスのとれた大人の美しさをスカート丈から感じるのです。」
横田さんは、「たった1cmの差がエレガンスの差」だと言う。普段からちょっとしたことを意識して修正できるかどうかが、素敵な人と残念な人との分かれ目なのだ。
第1章「装い」では、洋服への向き合い方、選び方から装い方、さらには品格を保つメンテナンスの重要性を説いている。
品格ある女性が気をつけている「ちょっとしたこと」の一つが「コートの裏地」だ。実はグッチの販売店で店長を務めた経験もある横田さん。コートを購入する際には、「裏返して持ってみて、鏡に映してみること」をすすめている。なぜなら、「裏を美しくすると品格が滲み出る」からだ。
よその家を訪問する際、玄関先でコートを脱いでからチャイムを鳴らすのは最低限のマナーだが、そのとき「コートは裏返して持つ」のが上級者。コートの表についた埃をまき散らさないように、という配慮だ。レストランなどでも脱いで預けるなど、実は裏まで見せるシーンが多いコート。お尻のあたりが擦り切れていては恥ずかしい。裏まで美しいものを身につけることで、脱いだ時にも自信が持てるアイテムになる。
「裏や細部の美しさにまでこだわって選ぶことで、その選び抜いた裏の品格が表を支えてくれます。表の格は、裏の格次第なのです。」
しかし裏地までこだわるとなると高価なのでは?と思うかもしれないが、「安物を買い替えるより、高価でも長持ちするものを」と、本書ではメンテナンスの仕方もていねいに紹介している。ちなみに横田さんは20年以上も着ているコートの裏地を張り替えてもらい、大切に着ているそうだ。
「品格のある人は、裏が盤石なのです」と横田さんは言う。そしてそれは生き方にも通じるとして、人生の「裏の時期」をどう過ごすかがその人の奥行きや深みを決めるのだと説く。
このように、本書では「装い」に始まり、ライフスタイルや人づき合い、老いとの向き合い方まで、外面・内面の両面から「大人の女性の品格」とは何かを考えていく。
一朝一夕に身につくものではないが、まずは「ちょっとしたこと」に意識を向けてみることから、憧れの女性への一歩を踏み出したい。
■横田真由子さんプロフィール
よこた・まゆこ/ミニマムリッチ(R)コンサルタント/オフィスファーレ代表
株式会社ケリングジャパン(旧GUCCI JAPAN)販売スタッフとして有名人やVIP客の担当となり、3年で店長に昇格。顧客獲得数NO.1となる。VIP客の物選びに女性としての優雅な生き方を学び、独自の「大人エレガンス」を実践する契機となる。2004年、「オフィスファーレ」を設立。ものをただ使い捨てるのではなく、選んだものを大切に手入れしながら愛し抜く姿勢に、真の豊かさを感じ、「上質なものを少しだけ持つ人生」=「ミニマムリッチ®ライフ」を提唱し、セミナー、講演、執筆活動を行う。著書に『本当に必要なものはすべて「小さなバッグ」が教えてくれる』『すてきな靴が一歩ふみ出す自信をくれる』『本当に必要なことはすべて「ひとりの時間」が教えてくれる』(クロスメディア・パブリッシング)など。
当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!
広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?