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「遅く若死に」するには? 世界で話題の「最新科学×長寿」本が日本上陸

寿命ハック

 少しでも健康に長生きしたいと、多くの人が望むもの。その望みは、最新科学で叶えられる?

 デンマークで発売されるやたちまちベストセラーになり、世界22ヶ国で翻訳が決まった『寿命ハック 死なない細胞、老いない身体』(新潮社)の日本版が発売された。著者である分子生物学者ニクラス・ブレンボーさんは、なんと1995年生まれという若さだ。最先端の科学で寿命を"ハック"する方法とは?

 本書は、いかにして遅く若死にするか、つまり、いかにして若い体を保ちながら長生きするかを解説するものだ。
(「プロローグ――若返りの泉」より)

 本書では、自然界に「300年以上生きる古代サメ」、「根系が1万4000年以上生き続ける樹木」、「若返るクラゲ」が存在するという驚きの知見が明かされる。では、人間の長寿はどのように実現できるのだろうか。

 "永遠に生き続ける"培養細胞であるヒーラ細胞の秘密や、iPS細胞の可能性など、健康長寿について現代科学の研究がどこにたどり着いているのかをわかりやすく解説している。さらに、「抗酸化サプリメントは寿命を縮める」など、誤解されている健康法の事実も指摘。健康なまま老いるには具体的に何をすればいいのか、実践メソッドも紹介している。

 科学がさらに進めば、不老不死も夢ではないかも? そんな想像を膨らませてくれる一冊。

【目次】
プロローグ――若返りの泉

I 自然の驚異
第1章 長寿の記録
390歳のサメ/寿命のない木/悲劇的なサケの一生/死を遠ざける生き物たち/身長と寿命の法則/法則から外れた長生きなネズミ

第2章 太陽とヤシの木と長寿
ブルーオーシャン――長寿者たちの住む町/長寿で注目すべき地域

第3章 過大評価される遺伝子
遺伝子が持つ情報/遺伝と環境、人生を左右するのは/寿命も遺伝?/遺伝子研究が予知する未来/発見された遺伝子メカニズム/長寿遺伝子を持つ人々

第4章 不老不死の弱点
死は老化がもたらす/生物はなぜ死ぬのか?/老化はプログラムされている?

II 科学者の発見
第5章 あなたを殺さないものは......
抗酸化サプリメントは寿命を縮める/ストレスこそが生物を強くする/パイナップルは口内を攻撃している/健康的にストレスを感じる方法

第6章 サイズは重要か?
新大陸を目指して/小人族の人々/成長ホルモンを運ばない身体/ラロン症候群のネズミ/背の低い人が長寿な理由/成長因子――IGF-1

第7章 イースター島の秘密
細菌の持つ特殊な分子/真菌の成長を管理するタンパク質複合体――mTOR/ラパマイシンとアンチエイジング

第8章 すべてを結びつけるもの
細胞のゴミ収集車――オートファジー/細胞を騙せ!

第9章 高校で教わる生物学の誤り
人類は細胞と細菌の結合から生まれた/細胞の発電所/ミトコンドリアを除去する

第10章 不死への冒険
不老不死の細胞/細胞が死なない理由/ヒーラ細胞の秘密/大胆な遺伝子治療

第11章 ゾンビ細胞とその退治法
自殺しなくなった細胞たち/ゾンビ細胞を殺すには

第12章 生物時計のねじを巻く
結果が分かるまで早くて数年/細胞の年齢を測るには/より正確な体内時計/早く老化する細胞/細胞年齢を巻き戻す――iPS細胞/どこまで若返らせるか問題/多能性幹細胞は変幻自在/科学と倫理のジレンマ/細胞を再生する――成体幹細胞

第13章 血液の驚異
輸血と若返り/若い血液の力/体内の鉄分が意味するもの/鉄は寿命を縮める?

第14章 微生物との闘い
死の産科と死体粒子/らせん状の細菌/人体は微生物だらけ

第15章 見えるところに隠れる
ウイルスが持つ武器/HIVとの闘い/感染症との闘いは続く......

第16章 長生きするためのデンタルフロス
老化とアルツハイマー病/脳の老廃物――アミロイドβ/ヘルペスウイルスとアルツハイマーは密接/ガンを引き起こすウイルス/ウイルスが老化に与える影響

第17章 免疫の若返り
腸内細菌の驚くべき力/老いる免疫システム/免疫システムの若返り

III 役立つアドバイス
第18章 楽しく飢える
食事制限は有益か/最も寿命が延びるのは飢餓状態/腹八分目は理にかなっている

第19章 歴史ある習慣を見直す
大事なのはカロリーか食事時間か/断食とダイエット/382日間食べなかった男

第20章 カーゴカルトの栄養学
栄養学の論文は矛盾だらけ/長寿の人々を真似れば長生きできるのか/ランダム化比較試験から分かること/ビタミンDはわたしたちを健康にしない

第21章 思索の糧 フード・オブ・ソート
牛乳でおなかを壊す原因は遺伝子/体の老化年齢を知る方法

第22章 中世の修道士から現代科学へ
血糖値コントロールが長寿への近道?/糖尿病薬がアンチエイジングに効く!?

第23章 測定できるものは管理できる
死因の第1位は遺伝性/1日25個の半熟卵を食べる男/高血圧になりにくい人々は長生き/運動すればするほど健康に/筋肉と長寿の関係性

第24章 物質より心
心は体をコントロールする/人間関係が健康に影響する理由

エピローグ
謝辞
訳者あとがき

■ニクラス・ブレンボーさんプロフィール
1995年生まれ。デンマーク出身。コペンハーゲン大学分子生物学博士課程に在籍する注目の若手研究者。本書は本国デンマークでベストセラーとなり、世界22か国以上で翻訳が決定。他の著書に『TOP STUDENT』、Lars Tvede氏との共著『SUPERTRENDS』がある。

■野中香方子さんプロフィール
のなか・きょうこ/翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒業。『ネアンデルタール人は私たちと交配した』『エピジェネティクス 操られる遺伝子』など訳書多数。


※画像提供:新潮社


   
  • 書名 寿命ハック
  • サブタイトル死なない細胞、老いない身体
  • 監修・編集・著者名ニクラス・ブレンボー 著、野中 香方子 訳
  • 出版社名新潮社
  • 出版年月日2022年12月19日
  • 定価1,210円(税込)
  • 判型・ページ数新書判・303ページ
  • ISBN9784106109775

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