2023年1月27日発売の「プレジデント」(2023年2月17日号)は、「徳川家康 長生きの秘密」と題した特集を組んでいる。健康オタクだった家康が、平均寿命40歳の時代に、なぜ75歳まで長生きできたか、その秘密を探っている。
NHK大河ドラマ「どうする家康」が放送され、あらためて徳川家康への関心が高まっている。家康が天下人となって江戸時代をつくることができた最大の理由は、「健康」だったからという説がある。
長寿食研究家の永山久夫さんは、家康的な食習慣を実践し、90歳でも元気だ。家康は粗食だったと言われたが、それはウソで、以下のような献立だったという。
1 麦飯 頭の回転をよくし、体の疲れを除くビタミンB1が豊富。 2 焼き味噌 ショウガ、にんにく、ゴマをよく混ぜ、みりんと味噌に加え、練ったもの。 3 味噌汁 ビタミンやミネラル、アミノ酸、植物繊維などが取れる。 4 焼き鳥 特に胸肉には長寿成分のカルノシンが多く、脳の若さを保つ。 5 ごぼう 抗酸化成分のクロロゲン酸が老化を防ぐ。強精作用のアルギニンや植物繊維が多い。 6 刻み昆布 カルシウムやマグネシウム、ビタミンCやカロテンを多く含む。 7 いわし オメガ3系の脂肪酸が脳を活性化させ血液をサラサラにする。 8 にんにく 免疫力の強化に加えて、男性ホルモンであるテストステロンを増やす効果がある。 9 くるみ 脳の老化を防いで心臓を丈夫にし、スタミナを強化する。 10 茶の湯 テアニンがイライラをしずめて、精神安定効果を高める。
白米を細かく砕いて炊いた割粥を食べていた晩年の豊臣秀吉は、ビタミンB1が不足したため、衰弱したと永山さんは推測する。
家康の健康を支えたのは、食生活だけではない。たしなんだ運動習慣のおかででもあるという。鷹狩り、剣術、砲術、水泳、馬術、能などだ。さらに、漢方薬や医学について研究し、医者顔負けの知識を持っていた。その集大成が、75歳までの健康と、たくさんの子どもたちであり、天下取りだったというのだ。
しかし、健康だけでは天下人にはなれない。さまざまな「人生の壁」をどうやって越えたのか。東京大学史料編纂所教授の本郷和人さんが、教訓を語っている。
たとえば、「19歳の壁」は桶狭間の戦いだった。「現状に甘んじるか、新たな一歩か」。今川義元が戦死したことを知ると、家康は今川家からの独立を決断する。
このほかにも、三河平定、三方ヶ原の戦い、本能寺の変・伊賀越え、小牧・長久手の戦い、江戸への国替え、関ケ原の戦い、大坂の陣など、いくつもの壁を乗り越えてきた。家康の生き方は、現代のビジネスパーソンにとっても参考になるだろう。
直木賞作家・門井慶喜さんが解説した「地図で見る江戸の開運スポット10選」も楽しい企画だ。江戸城、皇居の石垣、増上寺、寛永寺、番町、井の頭池など、江戸の繁栄をもたらしたスポットは、家康の息づかいを感じさせる。
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