あなたが傷つきやすいのは「繊細さん」だから? それとも、別の理由が隠れている?
『これって本当に「繊細さん」? と思ったら読む本 HSPとトラウマのちがいを精神科医と語る』(日東書院本社)が、2023年8月1日に発売された。精神科医の名越康文さんと、HSP専門カウンセラーで自身も「繊細さん」の武田友紀さんによる対談形式で、HSPとトラウマがそれぞれどう心に影響を及ぼすのかを語っている。
「繊細さん」と呼ばれることが多いHSP(Highly Sensitive Person)には、「DOES(ダズ)」という4つの性質がある。
D:深く処理する(深く考える) Depth of processing
O:過剰に刺激を受けやすい Overstimulation
E:感情反応が強く、共感力が高い Emotional & Empathy
S:些細なことも気づく Sensing the Subtlety
武田さんによると、「繊細」がDOESを指しているのであれば、遺伝子的な要因が大きいと思われる。一方で、不安感や過覚醒(少しの物音にとても驚く、人といると常に緊張するなどの敏感な状態)などを指しているなら、トラウマなど後天的なものが原因の可能性が高いという。
武田さんのもとに相談に来る人でも、たとえば上司の不機嫌を怖がってしまうのは父親によく怒鳴られていたからだった......というように、過去のトラウマが原因でつらい思いをしているケースがよくあるそうだ。しかし本人は「繊細な気質のせいだからつらいのは仕方ない」と思い込んでしまいがちだという。
本書では、「繊細さん」=HSPとは何か、トラウマが何を引き起こすのか、その見分け方と対処法を、精神科医とカウンセラーそれぞれの知見から語り合っている。診療やカウンセリングの経験はもちろん、「繊細さん」の気質を持つ武田さん、「おそらく僕もHSP」だと言う名越さんの、個人的な体験からもさまざまな分析を繰り広げている。
「繊細さん」かもしれないと思っている人にとって、つらさの原因を探り当てるヒントになりそうな一冊だ。
【目次】
第1章 繊細さんとは?
第2章 繊細さんとトラウマの関係は?
第3章 繊細さんとトラウマの見分け方
第4章 トラウマを抱えたままどう生きていくか
■名越康文さんプロフィール
なこし・やすふみ/近畿大学医学部卒業後、大阪府立中宮病院(現:大阪精神医療センター)にて、精神科緊急救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。著書に『「鬼滅の刃」が教えてくれた 傷ついたまま生きるためのヒント』(宝島社)、『SOLO TIME~ひとりぼっちこそが最強の生存戦略である』(夜間飛行)、『【新版】自分を支える心の技法』(小学館新書)、『驚く力』(夜間飛行)ほか多数。「THE BIRDIC BAND」のヴォーカル・作詞/作曲者として音楽活動をするほか、完全会員制動画チャンネル「名越康文TVシークレットトーク」も運営中。
■武田友紀さんプロフィール
たけだ・ゆき/HSP専門カウンセラー、公認心理師。自身もHSPである。九州大学工学部機械航空工学科卒。大手メーカーで研究開発に従事後、カウンセラーとして独立。HSPが感性を活かし、のびのびと生きることを大切にしたカウンセリングとHSP向け適職診断が評判を呼び、日本全国から相談者が訪れる。著書に60万部を突破したベストセラー『「繊細さん」の本』(飛鳥新社)、『「繊細さん」の幸せリスト』 (ダイヤモンド社)などの"繊細さんシリーズ"がある。ラジオやテレビに出演する他、講演会も開催し、HSPの認知度向上に努める。
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