「この1冊で もういつピンチが来ても だいじょうぶだ!」
鈴木のりたけさんの『大ピンチずかん』は、日常の大ピンチを、鋭くもあたたかい観察眼ですくいとり、ユーモアたっぷりに描いた絵本。発売からわずか1年半で絵本賞8冠達成、累計発行部数47万部突破(2023年9月25日現在)という、いま大注目の1冊だ。
このたび、続編となる『大ピンチずかん2』(ともに小学館)が11月22日に発売されることが決定した。
■『大ピンチずかん』
あ、牛乳が盛大にこぼれてる......! 鈴木さんが、自身の子どもたちを観察して作ったという『大ピンチずかん』。身近なところに潜む大ピンチを、「大ピンチレベル」と5段階の「なりやすさ」で分類し、あらゆる方向から解き明かしている。
たとえば......
ストローが とれない 大ピンチレベル5 / なりやすさ3
紙パックジュースのパックの内側に入ったストローがとれない......! これは大人になるまでに、ほとんどの人が体験済みなのでは。
じゅうでんが できていなかった 大ピンチレベル22 / なりやすさ2
ゲーム機の充電ができていなかった......! 子どもがショックを受ける一方で、親は「もうやめなさい!」と注意する必要がなくなってほっとしていたりする。
むかしの おにぎりが でてきた 大ピンチレベル52 / なりやすさ2
カバンからあんなものやこんなものが......! 昔のおにぎりが出てきても、叱るのではなく、大ピンチ! と面白がれる親になりたいものだ。
こうした大ピンチの具体例とともに、「ストローは おはしを つきさして そっと ひきぬけば とれるぞ。」という大ピンチの切り抜け方や、「わたしは はいしゃの よやくを わすれて りょこうに でてしまったことが 2かい あるぞ。ごめんなさい。」という鈴木さんの大ピンチ体験談も。
■『大ピンチずかん2』
またまた大ピンチ! ケーキが倒れそう......! 11月に発売されることが決定した続編『大ピンチずかん2』では、新たに「大ピンチグラフ」を採用。
「大ピンチグラフ」とは、「ドキドキ」「イライラ」「きもちわるい」「はずかしい」「ふあん」「つらい」の6つの要素をグラフ化し、大ピンチの正体を明らかにするもの。わたしたちはなぜ大ピンチに陥るのか。その理由に迫っている。さて、今度はどんな大ピンチが飛び出すのか......!?
2023年上半期ベストセラー児童書部門第1位(トーハン調べ)を獲得した『大ピンチずかん』。とりわけ印象的だったのは、ピンチにならないように気をつけて! ではなく、いっそのことピンチを楽しもう! というメッセージが込められているところ。なんとも斬新で、発想の転換になる。
身に覚えのある大ピンチに「あるある」「うんうん」とうなずきながら、グイグイ引き込まれた。ページの隅々まで工夫が凝らされていて、じっくり読んで、眺める楽しさがある。子どもも大人もワクワクする大ピンチの世界。未体験の人はぜひ、のぞいてみて。
■鈴木のりたけさんプロフィール
すずき・のりたけ/1975年、静岡県浜松市生まれ。グラフィックデザイナーを経て絵本作家となる。『ぼくのトイレ』(PHP研究所)で第17回日本絵本賞読者賞、『しごとば 東京スカイツリー』(ブロンズ新社)で第62回小学館児童出版文化賞受賞。『大ピンチずかん』(小学館)では、第6回未来屋えほん大賞、第13回リブロ絵本大賞、第15回MOE絵本屋さん大賞2022第1位など絵本賞8冠を達成。ほかの作品に「しごとば」シリーズ、『たべもんどう』「おでこはめえほん」シリーズ(ブロンズ新社)、『ぼくのおふろ』『す~べりだい』『ぶららんこ』『ぼくのがっこう』(PHP研究所)、『おしりをしりたい』『おつかいくん』『カ どこいった?』(小学館)などがある。
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