2023年10月13日発売の「プレジデント」（2023年11月3日号）は、「あなたは、これからどう生きるのか？ 人生の価値」と題した特集を組んでいる。
あなたは、お金の奴隷、会社の奴隷、家族の奴隷になってはいないだろうか。「何歳でも、幸せになれる」というメッセージに励まされる人も多いだろう。
「新しい自分になる『新しい価値観』10選」をまとめている。「お金は稼ぐだけ幸せ」「人生長生きしたほうがいいに決まっている」など、凝り固まった価値観にとらわれず、価値観をアップデートし、生き方の選択肢を広げようと呼びかけている。
たとえば、「お金の価値」について、作家の橘玲さんは、「Ⅰ億円貯めても幸せになれない人は、なぜ幸せになれないのか？」と問題提起している。それはお金が増える喜びにいずれ慣れる「限界効用逓減の法則」が働くからだと説明。「自分の評判を上げよう！ 得意なことに資源を投入しよう」と、新しい価値を説いている。
医師の矢作直樹さんは、「命の価値」について、「寿命は最初から決まっている。そう考えると悩まない」と書いている。死に際に意味はないから、気にするだけ無駄というのだ。
「友人の価値」について、心理学者の諸富祥彦さんは、ハーバード大学の調査を紹介し、70歳をすぎて長生きする人の最も大きな要因は、友人が多いことだと指摘。しかも、異性の友人の有無が長寿に影響するそうだ。手始めにまず1人、友人をつくるのであれば、「元夫・元妻・元カレ・元カノとなら深い話ができる」と、勧めている。
このほか、「仕事の価値」について、「『自分がどうありたいか』明確な人ほど高く評価される」、「自由の価値」について「自分は何をしたいのか。常識を忘れて考えるといい」、「家族の価値」について、「血縁にこだわらない。どんどん人とつながろう」と、それぞれ専門家がアドバイスしている。
年代別「将来不安」が消えてなくなる生き方ガイドも参考になるだろう。それぞれの年代の不安を挙げ、以下のように提案している。
30代 「将来に不安を感じる・未来が明るいものとは思えない」→「『未来の心配』は人間だけ。動物的に『今』を生きてみよう」 40代 「仕事と家族に割く時間が長く、自由に使える時間がない」→「『時間がない』のは『自分の時間割』で生きていないからだ」 50代 「気力と体力が落ちて、若い頃のように働けない」→「『できなくなった』より『できるようになった』を見つけよう」 60代 「会社組織から離れたら、社会から必要とされていない気がする」→「『健康ライフハック』より『若者のエネルギー』をもらおう」 70代 「老いを感じてつらい・死ぬことが怖くて仕方ない」→「『引退感』ではなく『一生プレーヤー感』を出しまくろう」
精神科医で作家の樺沢紫苑さんが説く、「幸せの三段重理論」も興味深い。3つの幸福を得るには優先順位があり、「心と体の健康」（セロトニン的幸福）の上に、「つながり」（オキシトシン的幸福）があり、さらにその上に、「お金、成功」（ドーパミン的幸福）が積みあがっている、と説明する。
「幸福を味わい、感謝することが幸福になるための第一歩。そのためにすべきことは、『今にフォーカスする』こと。ただそれだけです」と結んでいる。
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