2023年11月11日、プロスケーター・羽生結弦さんを蜷川実花さんが撮り下ろした写真集『羽生結弦 孤高の原動力』(朝日新聞出版)が発売された。
蜷川実花さんが撮り下ろした64カットは、「赤マグマ」と呼ばれる真っ赤な大胆衣装に身を包むなど、6つのシチュエーションから切り取ったもの。スペシャル特典として、カバー裏には全身をおさめた特大グラビアもついてくる。
写真だけではなく、スポーツライターの松原孝臣さんによるインタビューも収録。「スケートの心地よさ、表現できる幸せをなくさないようにしたい」と題し、長く取材してきた記者だからこその視点によって引き出された羽生さんの言葉を、余すところなく収録している。
さらに、「羽生結弦の伴走者たち」では選手時代から羽生さんの表現を支えてきた3人のクリエーターにもインタビュー。プログラムの音を支える音響デザイナー・矢野桂一さん、楽曲制作を担い、プライベートでも親交の深いピアニスト・清塚信也さん、そして細部までこだわり尽くされているコスチュームの衣装デザイナー・伊藤聡美さんに、クリエイティブを通して見えた羽生さんの素顔をたずねている。
「蜷川さんの視点、受け取りたい雰囲気を考えて挑みました」(羽生結弦さんコメント)
蜷川さんとのセッションは3回目です。最近は、羽生結弦という存在にこの服やセットを合わせたときに、どういう構図になるのかを客観視するようになりました。突拍子もないかもしれないですけれど、「この子はどう見られたいのかな」と服の声を聞いたりするようなイメージです。特に、蜷川さんはセットがものすごく凝っていらっしゃるので、そのセットに対してどういう感情や意味をもたせるべきなのか、蜷川さんはどういう視点から写真を撮っていて、どういう雰囲気を受け取りたいのかなと考えながら挑みました。
「羽生さんだから絶対に大丈夫だと確信していました」(蜷川実花さんコメント)
羽生さんを撮影していると、ファインダーを覗きながら怖くなる瞬間があります。「この人はどこまでいくんだろう」と底が知れない、内側から出てくる表現力のすさまじさにいつも吸い込まれそうになるというか。表現の幅が広いという言葉では収まらないくらい、人というものを超えた、独特な存在感を持った方です。赤いバラのセットやビッグシルエットの衣装といった、被写体本人のパワーがないと成立しないシチュエーションも多く取り入れています。でも、羽生さんだから絶対に大丈夫だと確信していたし、撮影を終えて、その遥か上を見せていただきました。
【CONTENTS】
・Hanyu Yuzuru × Ninagawa Mika session1
・巻頭コラム「ただ一人到達し得た孤高の世界」
・Hanyu Yuzuru × Ninagawa Mika session2
・Hanyu Yuzuru × Ninagawa Mika session3
・独占インタビュー「スケートの心地よさ 表現できる幸せをなくさないようにしたい」(聞き手:松原孝臣)
・Hanyu Yuzuru × Ninagawa Mika session4
・Hanyu Yuzuru × Ninagawa Mika session5
・100問100答 PART1
・氷上を鮮やかに彩るコスチュームデザインの世界
・羽生結弦の伴走者たち(伊藤聡美、清塚信也、矢野桂一)
・Yuzuru Hanyu ICE STORY 2023 GIFT公演後一問一答
・プロ転向1年の軌跡 アイスショー全記録「氷上に置いてきた夢をつかみとるために」
・100問100答 PART2
・DOCUMENT 263min 羽生結弦×蜷川実花フォトセッション舞台裏
・Hanyu Yuzuru × Ninagawa Mika session6
・蜷川実花 セッションを終えて「すべてを超越する『羽生結弦』という表現」
・extra On AERA Covers 2018-2023
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