「大ピンチの りゆうを しれば いつ 大ピンチに なっても こわくない。」
鈴木のりたけさんの『大ピンチずかん』は、絵本賞8冠を達成し、2023年上半期ベストセラー児童書部門第1位(トーハン調べ)を獲得するなど、いま大ヒットしている絵本だ。
身の回りに潜む大ピンチを、鋭くもあたたかい観察眼でユーモアたっぷりに描いた本作。待望の第2弾『大ピンチずかん2』(ともに小学館)が11月22日に発売され、シリーズ累計85万部を突破した。
「あーもう!」「あー...」「ドバー」「ヒッヒッヒッ」「ジャリ」「コン」「んぐ」「おわっ」......。なにやら第2弾も大ピンチが盛りだくさんの様子。どんな大ピンチが飛び出すのか。子どもも大人もワクワクする大ピンチの世界を、少しのぞいてみよう。
アメリカンドッグが まわる 大ピンチレベル37
食べているうちに、ソーセージとその周りがはがれて、回り出す。根元のカリカリをかじると、回りやすくなるそうだ。食感がいいからついかじりたくなるが、最後のお楽しみにとっておいたほうがよさそうだ。
べんざを あげたまま すわった 大ピンチレベル49
おしりに触れる便器の感じがいつもと違う......と思ったら! これはけっこうきつい部類ではないだろうか。
大ピンチを「大ピンチレベル」が低いものから順に紹介するのはそのままに、『大ピンチずかん2』では「大ピンチグラフ」を新たに採用している。
大ピンチに見舞われたときの「ドキドキ」「イライラ」「きもちわるい」「はずかしい」「ふあん」「つらい」という6つの感情をグラフ化し、あらゆる角度から大ピンチを分析。そもそも、その出来事が「どうして 大ピンチなんだろう?」という疑問をもつところから始めて、大ピンチの正体に深く迫っている。
先ほどの「べんざを あげたまま すわった」の「大ピンチグラフ」は、「ドキドキ」と「つらい」が突出していて赤色が目立つ。このタイプを「大ピンチレッド」と呼んでいる。
このほか、「せんせいに おかあさんと いってしまった」の「大ピンチグラフ」は、「はずかしい」と「きもちわるい」が突出していて青色が目立つ。このタイプは「大ピンチブルー」と呼んでいる。
もし きみが 大ピンチに なっても
その りゆうを たしかめて
大ピンチの しょうたいを
はっきりさせてしまえば
きっと あわてないで すむだろう。
さあ
どんな 大ピンチが あるのか
これから いっしょに みていこう。
著者の鈴木のりたけさんの座右の銘は、「おもしろがると世界がひろがる」。まさに、その言葉をそのまま絵本にしたような「大ピンチずかん」シリーズ。
大ピンチは失敗や災難と言い換えることもできそうなものだが、あたかも発見や冒険かのように楽しんでいる。たしかに、どんなものごとでも、おもしろがると見え方が変わってくる。いま自分が見ている世界に広がりをもたせてくれる作品だ。
『大ピンチずかん2』公式サイトでは、本作の試し読み、大ピンチのタイプを診断する「大ピンチ診断」、芸人のやす子さんが出演するテレビCMなど、さまざまなコンテンツを楽しむことができる。
■鈴木のりたけさんプロフィール
すずき・のりたけ/1975年、静岡県浜松市生まれ。グラフィックデザイナーを経て絵本作家となる。『ぼくのトイレ』(PHP研究所)で第17回日本絵本賞読者賞、『しごとば 東京スカイツリー』(ブロンズ新社)で第62回小学館児童出版文化賞受賞。第2回やなせたかし文化賞受賞。『大ピンチずかん』(小学館)で、第6回未来屋えほん大賞、第13回リブロ絵本大賞、第15回MOE絵本屋さん大賞2022第1位など絵本賞8冠を達成。ほかの作品に「しごとば」シリーズ、『たべもんどう』「おでこはめえほん」シリーズ(ブロンズ新社)、『ぼくのおふろ』『す~べりだい』『ぶららんこ』『ぼくのがっこう』(PHP研究所)、『おしりをしりたい』『おつかいくん』『カ どこいった?』(小学館)などがある。
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