本を知る。本で知る。

受け取っていますか.....『言霊のゆくえ』


美しいことばだな....母国語だけど。
と、ずっと思っていました。

多彩で美麗な音、文字(ひらがな)、表現を持つ言語、『日本語』。”魂”と呼ぶものと同じかもしれない
意識の深い部分にあるものを、音・文字・表現いずれにも宿している言語です。

明治天皇の御製(和歌)、教育勅語、宮沢賢治、空海ら大僧正の言葉、そして、君が代、戦死兵達の手紙。長らく語り継がれ、詠い継がれ、歌い継がれている、カタカナ言葉が無い、いずれも純な日本語で綴られたものばかりです。

時を越えて今もなお残るこの言葉達を介しながら、江原さんは、現在のこの国、特に東日本大震災後の私達日本人の在り方に向けて、強く直線的なメッセージを送っています。

「ことば」は”想いを乗せるための器”でもある。音、記号という形態の違いを問わずに、言の葉一つ一つはいかなる時も「想い・思い」と「意識」そのものの表出であり、コトタマとして相手と放つ者自身に響いている、と思っています。

数々の和歌、おことば、小説、歌、手紙が放つコトダマは、受け取る人々(読者)にとっては、十人十色の解釈があるのかもしれません。ですが、それこそ「それぞれの言葉の表現は違っていても、一つ同じ”真実=真意”を確かに感じている」もの。放たれたコトタマ(言霊)そのものは、すべての人が受け取れることでしょう。

本書では、江原さんなりの表現の助けを借りつつ、その唯一の真髄が心の深い部分に落ちていきます。

「読んだ」と実感するには一度読むだけではもの足りない。手元に置いて、じっくりと噛み砕いてゆっくりと読んで、何度か読み返しながら「読了」できる1冊。数々の送られたコトタマをひとつずつ、
どうぞあなたのペースで感じてみて下さい。

【局アナnet】三浦まゆみ
      (気象予報士、アナウンサー、翻訳・通訳)
 

書名:言霊のゆくえ
著者:江原啓之
発売日: 2012/12/22
定価 :1,260円

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