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「市民探偵」が殺人鬼を追いつめる 未解決事件を追うアメリカ市民たち

未解決殺人クラブ 市民探偵たちの執念と正義の実録集

 2023年12月16日、ロンドン在住ジャーナリストのニコラ・ストウさんによる著書『未解決殺人クラブ 市民探偵たちの執念と正義の実録集』(大和書房)が発売された。翻訳は村井理子さんが担当している。

作家や会計士が「探偵」に

 アメリカには、補償や報酬の期待なしに事件解決を支援する、下記のような「市民探偵」たちが多く存在するという。

・40年逃げ続けた「黄金州の殺人鬼」を追いつめた作家
・娘を殺したギャングをSNSの偽アカウントでだまして捕らえた母親
・身元不明遺体の頭蓋骨から似顔絵を描き、何百枚もの写真から見つけた会計士
・仕事から帰宅し、家事を終えると夜な夜なコンピュータの前に座り捜査をする手芸店店員
・猫をいじめる動画をネットに上げた犯人を、その動画の背景から割り出そうとするアナリスト

 本書は、人生をかけて未解決事件を追った「市民探偵」たちの姿を描いた、手に汗握るノンフィクション。Netflix『猫いじめに断固NO!:虐待動画の犯人を追え』『なぜ殺したの?』、映画『ザ・スレッド』など映像化された事件も掲載されている。

 実際に起きたいくつもの事件とそれを解決した市民探偵たちへの取材から、あまり知られることのない彼らの正義と執念を描いた1冊だ。

【目次】
1 なぜ彼女を殺したの?
2 世界初のサイバー探偵
3 私の初めての「事件解決」
4 Web探偵
5 マザー・ロード
6 捉えられた黄金州の殺人鬼
7 フォーエバー・ヤング
8 すべては殺人からはじまった
9 『猫いじめに断固NO!:虐待動画の犯人を追え』
10 ルカ・マグノッタの仮面を剥ぐ
11 バイオインフォマティクス(生物情報学)のロード氏はまさに神
12 探偵がしくじるとき

■ニコラ・ストウさんプロフィール
ロンドン在住。犯罪を専門に、20年以上ジャーナリストとして活動している。連続殺人犯ピーター・トービンの被害者家族の独占記事に取り組みながら、麻薬組織や小児性愛者組織の内情を暴き、金融危機の最中にHBOSの銀行家たちが30万ポンドのジャンケットを楽しんでいたと潜入取材で明らかにした。ゴーストライターとしても活動し、多くのベストセラーを出している。

■村井理子さんプロフィール
翻訳家・エッセイスト。1970年静岡県生まれ。滋賀県在住。訳書に『ゼロからトースターを作ってみた結果』(新潮文庫)、『黄金州の殺人鬼』『捕食者』(亜紀書房)、『メイドの手帖』(双葉社)、『エデュケーション』(ハヤカワ文庫)など。著書に『ブッシュ妄言録』(二見文庫)、『村井さんちの生活』(新潮社)、『実母と義母』(集英社)、『兄の終い』『全員悪人』(CCCメディアハウス)、『ハリー、大きな幸せ』『家族』(亜紀書房)など。


※画像提供:大和書房

  • 書名 未解決殺人クラブ 市民探偵たちの執念と正義の実録集
  • 監修・編集・著者名著者:ニコラ・ストウ、訳者:村井理子
  • 出版社名大和書房
  • 出版年月日2023年12月16日
  • 定価2,640円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・336ページ
  • ISBN9784479570196

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