人気K-POPグループBTSのジミンさんが注目したことで話題となった、桂冠詩人ドナルド・ホールのエッセイ集の邦訳『死ぬより老いるのが心配だ 80を過ぎた詩人のエッセイ』(辰巳出版)が2月7日に発売される。
ジミンさんが、2020年にリリースされたアルバム「BE」のコンセプト会議のなかで、「自身のSo What(BTS の曲名)を考えてみた」として語ったことで話題となった本書。邦訳出版の情報解禁後に予約が殺到、発売前増刷が決定したという。
ジミンさんは本書を読んで「年を取ったとか若いとか、年齢に基準を置かないで」というメッセージが込められているとシェア。するとARMY(BTSファンの名称)を中心に「今を楽しみ、現在を充実させよう、という本書のメッセージが心に響いた」「私にぴったりの本」との前向きな声が溢れた。
ちなみに「桂冠詩人」とは、イギリス王室から最高の地位の詩人に与えられる称号のことだ。
本書は、2018年に89歳でこの世を去ったドナルド・ホールさんが、自身の老いや暮らし、死について滔々と語ったもの。彼曰く、「老いは未知で、予期できない銀河系でありつづけるが、人生は依然として自分のもので、そしてそれは続いていく。その人生もまた輝いて"美しい"」。
誰もが必ず迎える「死」、そして年齢を重ねるにつれて実感する「年を取ること」。つい目を背けてしまいがちだが、ありのままを見つめる桂冠詩人のまなざしは、今を自分らしく生きる術をさりげなく伝えてくれる。
目次は次の通りである。
窓辺から
80 を過ぎた詩人のエッセイ
奇妙なくらいに楽しい一本の道を行く
朗読会での「サンキュー、サンキュー」
わたしがはやした三度のヒゲ
みんな煙草を喫っていた
ワシントン D.C.の雪男
運動オンチのエクササイズ
博士と呼ばれたって
死について2、3思うこと
採用と不採用の狭間で
ドアのない家
おわりに
訳者より
■著者のドナルド・ホールさんプロフィール
1928年9月20日‐2018年6月23日。アメリカの詩人、作家、編集者、文芸評論家。児童文学、伝記、回想録、エッセイなど、22の詩集を含む50冊以上の著作がある。フィリップ・スエクセター・アカデミー、ハーバード、オックスフォードを卒業。2006年、米国議会図書館の第14代桂冠詩人コンサルタントに任命される。1980年のコールデコット・メダルを受賞した絵本「にぐるまひいて」(ほるぷ出版)の原作者でもある。
■訳者の田村義進さんプロフィール
英米文学翻訳家。訳書にキング『書くことについて』(小学館文庫)、カッゲ『静寂とは』(辰巳出版)、クリスティー『メソポタミアの殺人 新訳版』(ハヤカワ文庫)、 ムカジー『マハラジャの葬列』(ハヤカワ・ミステリ)ほか多数。
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