絵本作家のしおたにまみこさんは、2021年に刊行した初の絵童話『たまごのはなし』で第28回ブラチスラバ世界絵本原画展金牌、第27回日本絵本賞大賞など数々の賞を受賞した、いま注目の絵本作家のひとり。このたび、絵童話第2弾となる『いちじくのはなし』(ブロンズ新社)が発売される。
本作では、ほらふきのいちじくが主人公。「第1話 ぼうけんのはじまり/第2話 オレンジのなみだ/第3話 キッチンでおきたこと」の3つのお話が収録されている。
前作に登場した、たまごやマシュマロ、キッチンの仲間たちを集めて開かれるおはなしかいが舞台だ。
近年、政治の場面で利用される「嘘」の強い力に嫌気が差していたというしおたにさん。そこで、漠然と「嘘」をテーマに物語をつくりはじめた。
しかし、「嘘」とは、考えれば考えるほど、難しいものでした。
悪意のある嘘か、そうでないのかを見分けるのは、難しいことです。
悪意ある嘘のせいで、他の嘘にも潔癖になります。
でも、嘘のない世界はつまらなすぎます。
小説、漫画、映画、絵本などの創作物も、嘘の類ではとも思いますし、ちょっとごまかすためにつく嘘もなくては困ります。
そして、「嘘はダメだ!」というのは、悪意に負けたようでもあります。
『いちじくのはなし』では、(いちじくの真意はわかりませんが)、嘘の面白い側面を描けたらと思い、つくりました。
深く考えず、気軽に読んでみていただけたら嬉しいです。
しおたにまみこ
ほらふきのいちじくはどんな嘘をつくのか。冒険の様子が気になる。一度見たら忘れられない美しく繊細な鉛筆画も見どころだ。
■しおたにまみこさんプロフィール
しおたに・まみこ/1987年、千葉県生まれ。女子美術大学工芸学科卒業。はじめて制作した絵本『やねうらおばけ』で、2014年第15回ピンポイント絵本コンペ優秀賞を受賞し、絵本作家となる。繊細な鉛筆画で描き出す独特の世界が、読者を引きつける。作品に『そらからきたこいし』『やねうらべやのおばけ』『さかなくん』(以上、偕成社)がある。東京都在住。
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