近年、空前のサウナブームが到来中。「サウナでととのう」という表現をよく耳にするようになった。でも、「ととのう」ってどういうこと?
サウナ愛好家=「サウナー」たちが使う用語を500語以上収録した『サウナ語辞典』(誠文堂新光社)が、2023年9月6日に発売される。サウナ文化の実態を垣間見ることができる一冊だ。サウナ研究家の草彅洋平さんと、草彅さんが主宰する文化系サウナー集団「AMAMI」がまとめている。イラストを担当している浜竹睦子さんもサウナーだ。
「ととのう」の項目を見てみると、こう解説されている。
【ととのう】
入浴時や温冷交代浴を行った際に発生する、恍惚とした状態のこと。
本書によると、「ととのう」という言葉を生み出したのは、プロサウナーの「濡れ頭巾ちゃん」さん。2009年にサウナ仲間たちとの議論の中で出た言葉なのだという。タナカカツキさんのマンガ『サ道』(PARCO出版)で使われたことで、一気に広まった。
スポーツで思うようにプレーができなくなる症状を指す「イップス」と掛け合わせた、「ととのイップス」という状態もあるのだそう。サウナに通って環境に慣れ、ととのう感覚がわからなくなる時のことだ。これにおちいってさらなる刺激を求めると健康を害する恐れがあるため、本書では、「いつもと違うサウナへ行く」「他のサウナーのリズムに合わせてみる」など行動を変えてみることをすすめている。
また、『サ道』というマンガのタイトルからもわかるように、サウナーたちはサウナを「サ」という1文字で表現することがあるそうだ。
【サ】
言わずもがな、サウナのこと。サウナーがやたら敏感に反応する一文字。
街中で看板などの「サ」に反応している人がいたら、サウナーかもしれない。
用語解説のほか、サウナの基礎知識も掲載。サウナに初めて行く人でも、本書に目を通してから行けば、歴戦のサウナーたちに「わかってるね~」と思ってもらえるかも。
〈掲載用語〉
アヴァント、アウフグース、あまみ、ウィスキング、ヴィヒタ、産湯、おかわり、オロポ、外気浴、かけず小僧、風邪をひかない、身体がポーとして何とも言へない気分、カンカン、グルシン、ケツ焼き、サウナ温め選手権、サウナブーム、サ活、サ飯、下茹で、昭和ストロング、スーパー銭湯、選手村、チラー、テレビ、動線、ととのう、ドラクエ、トントゥ、内気浴、鳴く、入浴、主、熱耐性、熱波師、羽衣、羽衣崩し、火入れ、フィンランド式サウナ、プロサウナー、文化系サウナー、水通し、水風呂、むし風呂の革命、メガネ置き、持ち込み禁止、雪ダイブ、ラドル、冷冷交代浴、ロウリュ......など500語以上
■草彅洋平さんプロフィール
くさなぎ・ようへい/編集者。サウナ研究家。CULTURE SAUNA TEAM"AMAMI"主催。温泉の著書に『作家と温泉』(河出書房新社)。サウナの著書に『日本サウナ史』(カンカンピーポー /第1回日本サウナ学会奨励賞・文化大賞受賞、Saunner of the Year 2021 受賞)がある。
■浜竹睦子さんプロフィール
はまたけ・むつこ/福岡県生まれ、岡山県在住。美術館勤務を経て、フリーランスのイラストレーターに。コロナ禍のひとり遊びでサウナに開眼。全国各地のサウナでの体験を、イラストで記録しインスタグラム(@hamatakemutsuko)で公開。まだまだ知りたい初心者サウナー。好きなサ飯は餃子。サウナ・スパプロフェッショナル。
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