心はずっとつらいのに、人に会うと明るく振る舞ってしまう。そんな「笑顔うつ」を抱えている人が少なくないようだ。
Instagramで7万人以上のフォロワーがいる(2023年8月28日時点)精神科医しょうさんが、2023年8月16日発売の『精神科医が教える 笑顔うつから抜け出す方法』(あさ出版)でその症状と解決方法を解説している。
「他人の前では元気そうにできるけれど、心身の不調が続いている」人を、しょうさんは「笑顔うつ」と呼んでいる。正式な病名ではないが、海外でも「smiling depression」と呼ばれて研究が進められているそうだ。うつ病や適応障害の軽症~中等症の状態にあたり、「うつ病というほどではない」と思って放っておくと、症状が悪化するおそれがある。
しょうさんは笑顔うつの症状を、わかりやすく以下の「4つの世界」に分けている。
(1)体調不良が目立つ「歩くと体調が悪くなる道」
不眠、だるさや疲れ、頭痛、微熱、めまいなど、内科にかかっても原因不明な身体症状が続く。
(2)落ちこみや不安が強い「希望が見えなくなる森」
とくに理由もなく気分が沈んで1日中落ちこむ、漠然とした不安におそわれている、落ち着かない、モヤモヤするなどの精神症状が続く。身体症状がないわけではなく、自覚していないケースが多い。
(3)感情をコントロールできない「戦わずにはいられない戦地」
人と話していて急に涙がこぼれたり、些細なことでイライラしたり、人にきつくあたり出したりする。
(4)思い通りに動けない「心と体が離れていく街」
「たまっている仕事をしなくちゃいけない」と思うけれどすばやくこなせない、「冷蔵庫が空だから買い物に行こう」と思うけれど動けないなど、思い通りに行動できなくなる。
(1)から(4)に向かって重い症状となり、(4)よりも重くなるといよいよ危険なのだそうだ。軽度な(1)や(2)の状態では、まわりから不調を気づかれにくく、「しっかりして」「気にしすぎ」などと注意されて孤立してしまう場合も多い。しかし、早く不調に気づいて焦らず正しい対処をすれば、早い回復が見込めるという。
本書には(1)~(4)それぞれの詳しい症状と、段階別の症状をやわらげる方法が解説されている。さらに、「笑顔うつ」の"脱出法"も。デジタルデトックスや「マインドフルチョコの習慣」など、すぐに実践できる方法がいくつも紹介されている。今、笑顔の裏で不調を感じている人の手助けになる一冊だ。
【目次】
はじめに
うつ島MAP
第1章 いつのまにか「うつうつ島」に迷いこんでいる!?
~笑顔の仮面がとれなくなる~
第2章 落ちこみや不安は感じないけれど、体がおかしくなってきた!
~歩くと体調が悪くなる道~
第3章 体は元気だけれど、落ちこみや不安があってしんどい!
~希望が見えなくなる森~
第4章 感情がコントロールできなくなってきた!
~戦わずにはいられない戦地~
第5章 思い通りに動けなくなってきた!
~心と体が離れていく街~
第6章 エネルギーをためて「うつうつ島」から抜け出そう!
おわりに
■精神科医しょうさんプロフィール
せいしんかい・しょう/InstagramなどSNSを中心にHSP気質やメンタルヘルスについて発信する精神科医。大学病院に所属し、精神科医としての業務に加え、研究にも従事している。著書に『頑張り屋さんのための心が晴れる本』(KADOKAWA)がある。
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