実力では負けていないはずの同僚が大きなプロジェクトのリーダーに抜擢された。
同じくらいの経験値なのに、不思議と自分はあの人と比べて評価されていないように思う。
仕事でこんなことを感じているなら、あなたに欠けているのは「セルフプロデュース力」や「アピール能力」なのかも。周囲から選ばれる人になるためには、仕事の実力と同じくらい、「周囲に自分を強く印象づけること」が必要です。
『ニューヨークで学んだ最高の魅せ方: 自分を100%輝かせるセルフプロデュース術』(あさ出版刊)は、好印象プロデューサーの原田眞里さんが、自分らしさを発揮しながら周囲に選ばれる人になるためのセルフプロデュース術を明かす一冊。競争が激しいニューヨークのアパレル業界で生き抜いてきた経験をもとに、服装に話し方、身振り手振り、表情などなど、細部にわたって、何がどんな効果を生むのかについて解説しています。
今回は原田さんにインタビュー。この本で明かされているセルフプロデュース術のキモについてお話をうかがいました。その後編をお届けします。
――「人の印象は最初に会った時に8割がた決まってしまう」と聞いたことがあります。だとすると第一印象をいかにいいものにするかが大事になるかと思いますが、特別容姿に恵まれていない人が、第一印象をよくするためにはどんな点に気をつければいいのでしょうか。
原田:容姿が特に優れていなくても、初対面の時に満面の笑顔で挨拶してくれたら、相手は良い印象をもつものですし、着ている服の色がその人の顔に映える色合いだったら、この人いいな、と思わせることができます。
人の第一印象を決めるものは容姿そのものというよりも、表情や発声や色使いを含めた装いなんです。これはまさに「自分の魅せ方」なので、ぜひ身につけていただきたいです。
――また、自信が全てを変えるのだということがよくわかりました。原田さんがニューヨークで出会った人たちはなぜそんなに自信があるように見えたのでしょうか?また、それは「自信があるように見える素振りを身につけている」のか「本当に自信がある」のかどちらなのだろうという疑問も持ちました。
原田:例外はあると思いますが、アメリカで暮らす子どもは基本的に親からほめられて育ちます。なので「自分は優れている」という根本的な自信があって、自分らしくいて良いのだと心から思っているんです。
――「自信がある素振り」を身につけているわけではなく、本当に自信があるんですね。
原田:そうだと思います。もちろん、自信がなくても自信満々に見せないと生きていけない世界なのも確かですけどね。
――マインドが表情や雰囲気にあらわれるというのは、すごく理解できます。本書では「何事も肯定的に捉える」ということを書かれていますが、自分が感じた嫌な気持ちや、嫌な出来事をどう消化すればいいのかについてアドバイスをいただければと思います。
原田:嫌な気持ちを引きずってしまうと辛いので、どこかでリセットしないといけませんよね。その時に、「嫌な気持ちになったその出来事がなぜ起きたんだろう」「その出来事にどんな背景があるんだろう」という方向に視点を変えると、「こういうことを学ぶためだったんじゃないか」「あとでこういう風につながるのかも」と、未来に起きる良いことが見えてくるのではないでしょうか。
「あれは嫌な出来事だったけど、それは自分が成長するための経験だ」と捉えればどんなことも前向きに考えられるはずです。どんな出来事も無駄ではなくて、すべて意味があって起こるものだと私は考えています。
――原田さんはニューヨークにいた20代の頃から今おっしゃったような考え方だったのでしょうか?
原田:どちらかというとニューヨークで学んだんだと思います。どうすれば生き延びられるかということを考えると、経験したことを通して自分をシフトさせていくしかありません。嫌なことがあっても、いつまでも愚痴ってもいられませんし、いつまでも嫌な気持ちでいるのは自分が損ですから。
――向こうで経験を積む中で自然に身についた考え方だったんですね。
原田:そうです。アドバイスをくれる人はいても、結局行動するのは自分です。生き残っていきたかったら自分を変えるしかないんですよね。
――ファッションデザイナーになるために、デザインを学ぼうとしても働き先が見つからずに無給からスタートしたというエピソードは強烈でした。
原田:学校を卒業したばかりで経験も何もなかったんです。なので無給でもいいから実務経験をつけようと思い、ある会社のアシスタントデザイナーに応募しました。ただ、いくら実務経験がないと雇ってもらえないアメリカでも、無給からスタートするのが一般的というわけではないと思いますが。
――当時、向こうで埋もれないためにどんなことを考えていましたか?
原田:とにかくアピールしないとどんどん埋もれるんです。特にニューヨークでチャンスをつかもうという人は「自分はこれができる」「こういう才能がある」「このレベルの人間だ」ということを自分から常に発信しています。優秀であってもアピールしないと負けてしまう場所なんです。仕事だけではなくて、生活そのものがそういう感じでした。
――最後に、今回の本の内容と絡めて、読者の方々にメッセージをいただければと思います。
原田:読んで「あ、そうなんだ。なるほどね」と思っただけで閉じてしまうのではなく、ぜひこの本の内容を一つで良いので実践してみていただきたいと思います。今回の本で書いたことは、実践することで自分のものになります。そうすると、少しずつ人生が変わってくるはずです。ぜひ、その一歩を踏み出して頂けると嬉しいです。それがメッセージです。
(新刊JP編集部)
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