普段の生活で見かける犬や猫、ハト、カラス。
動物園や水族館で見るパンダやキリン、アザラシ。
どれも私たち人間とは外見がまったくちがうユニークな生き物。でも、見た目からしてユニークな彼らは、「骨格」も進化の過程でユニークな特徴を獲得してきた。そのユニークさは人間と比べてみるとよくわかる。
たとえば、カメの骨格を人間が持っていたら、はたしてどんな見た目になるのだろうか?
人間の足で表現してみたら変な形の足でも、走るのが得意なイヌにとってはとても便利な形の足なのです。(『カメの甲羅はあばら骨 ジュニア版 人体で表す動物図鑑』P2より)
『カメの甲羅はあばら骨 ジュニア版 人体で表す動物図鑑』(川崎悟司/文・絵、SBクリエイティブ刊)は人間の体を動物の体と同じ形に変形させることで、動物たちの体の構造と機能に迫る。
たとえば、先述の「カメ」の場合、特徴的なのはなんといっても硬い甲羅。身の危険を感じると手足と頭を甲羅の中にしまい込む。
この甲羅、人間でいうとどの部分にあたるのかというと、なんと「あばら骨」なのだそう。カメのあばら骨は大きく、肩甲骨と骨盤をつつみこむように発達している。
「カメが甲羅の中に隠れてしまう」は、正確には「あばら骨の中に手足と頭をしまっている」ということなのだ。
個性的な身体の構造を持つ動物をもう一つ。
動物園で見かける、ほっそりと長い脚を持つピンク色の鳥。そうフラミンゴである。
このフラミンゴ、一本足で立ったままじっとしている姿が特徴的なのだが、この体勢の時「ひざ」のように見える部分は実は人間でいうと「足首」にあたるのだそう。フラミンゴのひざから上はとても短く、羽の中に隠れていて外からは見えない。
つまり、フラミンゴは足のかかとから指先までがとても長い生き物。「脚が長い」のではなく「足のサイズが大きい」という方が正確かもしれない。
フラミンゴが一本足で立ち続けられることにも、骨格的な秘密がある。実はフラミンゴは一本足で立った時に、ひざがちょうど体の中心に来るようになっている。そのため二本足で立つよりも一本足の方がバランス良く立てるのだそう。
◇
サメやゾウ、クジラにモグラ...。本書ではこの他にも多くの動物たちの身体的構造を人間に置き換えて見せてくれる。
ベストセラーとなった『カメの甲羅はあばら骨』『サメのアゴは飛び出し式』のジュニア版ということで、難しいワードは使われておらず、シンプルな文で解説されているのも魅力。そしてなんといってもビジュアルの説得力が出色。図鑑をながめたり動物園や水族館に行くのとはまたちがった想像力を掻き立てられる一冊だ。
(新刊JP編集部)
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