通勤や通学、買い物や散歩などで毎日歩く近所の道。
目をつぶっても歩けるくらい慣れ親しんだ道も、いつものように通り過ぎるところで足を止めてみると意外な発見があるもの。たとえば道ばたに生えている草花って、見慣れている割に名前を知らなかったりしませんか?
『ちいさな花言葉・花図鑑<野の花・道の花編>』(ユーキャン刊)は、道ばたや川岸、公園や庭先など私たちの生活圏で見ることができる草花に注目する図鑑。「通勤途中に見かけたあの花、こんな名前だったんだ」「この間散歩している時に生えていた花、実は海外から入ってきた植物だったのね」など、生活の中の風景に新鮮さを与えてくれます。
たとえば、あなたの家の近くに生えているこんな花、見たことありませんか?
こちらは多くの人が見かけたことがあるはず。そう、オシロイバナです。
道ばたや公園などでよく見られるこの花ですが、実は原産地はメキシコ。江戸時代に観賞用として日本にやってきたのだそうです。同じ株の中でも色の違う花を咲かせることから、花言葉は「私は恋を疑う」。夕方に花が咲くため、イギリスでは「午後4時の花」と呼ばれています。
道端や堤防、荒れ地などに生えていて、小さな紫色の花を咲かせるこの草花は「メハジキ」。日本だけでなく、朝鮮半島や中国、東南アジアにも自生しています。中国では婦人病や眼病に効く薬草として使われているそう。痩せた土地で育っても薬として役立っていることから「心はやさしい」という花言葉がついています。
本書はこのように、生活圏で見ることができる草花の花言葉やその由来、よく生えている場所などをシンプルに解説してくれます。春先に見かけるホトケノザに「ジラフヘッド(キリンの頭)」という別名があるのを知っていましたか?花の形がキリンの頭にそっくり!
関東近郊では埼玉県秩父市の羊山公園が名所として有名なシバザクラ。赤やピンクだとばかり思っていましたが、紫や青もあるんですね...。
日本に自生している草花の中には「絶滅危惧種」に指定されているものもあります。キセワタもその一つ。白い毛のある花が、綿をかぶせたように見えることからこの名前がついたのだとか。
◇
元々日本に自生していた花や、海外から持ち込まれて帰化した花。庭や公園に好んで植えられる花。本書には日本で見ることができる花が網羅され、普段から目にしているのに素通りしている花々に改めて注目し、足を止めるきっかけをつくってくれます。一般的な図鑑よりも写真が大きく、花の美しさを細部までよりいっそう楽しめるのが特徴です。
もちろん、見たことない花もたくさんあるはず。近くに生えているはずなのに見たことがない花に興味を持ったら、本書を片手に探しに行ってみましょう。散歩に出かけるのが楽しくなる一冊です。
(新刊JP編集部)
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