なりたい自分がいる。叶えたい夢がある。だけれど、何も行動を起こせていない。どうしたらいいのか分からない。
そんなときは「人生設計マップ」を作ってみよう。
『わくわく人生設計マップ』(幻冬舎刊)は、ド真ん中株式会社CEOの知明氏による一冊で、マンダラチャート(9×9のマスを使って自分の目標とその目標を達成するために必要なものを書き込んでいくチャート)を活用しながら、中心に書かれた目標にコミットメントさせるための方法が書かれている。
メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が実践していたことから話題を呼んだマンダラチャートだが、知明氏はそれをどのように進化させたのか? インタビュー後編では人生設計マップをしっかり進捗させていくコツが語られている。
(新刊JP編集部)
――本書の中で、知明さんはご自身の「人生設計マップ」をアップデートしています。やはりマンダラチャートを作ってある程度経ったら、アップデートすることは必要なのでしょうか。
知明:私のマップの軸は「ワクワク」です。そこに書いたことは絶対にしないといけないという縛り付けるものではなく、人生設計マップに書いたことを実行してワクワクすることが大切なんです。ただ、ワクワクするものって、成長していく中で変わっていきますよね。新たな気づきを得られたら、新たなワクワクに出会える。そのワクワクする自分のマインドに従って、アップデートしていくという感覚です。
――知明さんは4回、人生設計マップをアップデートしていますが、4回目のアップデートで目標が「最高の父」となりビジネスとは関係なくなります。そういった大きな変化もありなんですね。
知明:そうです。それは私がワクワクを軸にしているからですね。今の自分にとっては「最高の父」になるということが、最高のワクワクということです。だから、育児も自分から率先して楽しんでやれているのかなと。自分の心に従い、それをどこに繋げるのか? ここが大切です。
――ただ、「目標がない」「中心に書けるものがない」という人も少なくないと思います。そういう人は中心に書くものをどう探せばいいのでしょうか。
知明:今、私は新卒の子たちの研修をしたりしているのですが、確かに目標がないという声は多いですね。だから、そういう場合は「本当にやりたいことを見つける」ということを真ん中に書いてもらうようにしています。
真ん中は埋まらないけれど、その周囲は埋まるというケースも多いんですよ。「人間的に成長したい」「お金持ちになりたい」とか。「お金持ちになる」というのは目標に置きたくないけれど、やっぱりお金は必要だと。そういう風に周囲が埋まっていくという人が多い。だから、まず中心は置いておいて、その周囲に書いたことを一生懸命にやっていくうちに、夢や目標が見つかるというケースが多いんですよね。
――本書では、目標に達するために書いた必要な行動に対して、数値をコミットメントさせ、カレンダーで進捗を日々チェックします。これってかなり厳しいというか、ストイックさが求められるように思うのですが。
知明:そこが一番の課題なんですよね。目標を達成するためには、スイッチを押し続けないといけない。ただ、そのモチベーションになるのが前半部分で話した「予祝」であり、周囲からの応援、期待だと思うんですね。
自分で書いて、こうなろうと誓う。それはいいのですが、自分の中に収めたままだと、その誓いって破りやすいものになってしまうんです。でも、他人との約束って破りにくいじゃないですか。私もたくさん人に人生設計マップを見せたことによって、「やらないといけない」という気持ちになりました。
――おっしゃる通り、自分との誓いは破りやすいというか、どうしても自分に甘えが出てしまうんですよね。だから、人に話すことで、自分の夢に対する責任を負うと。
知明:そういうことです。本書の38ページでも書かせていただいていますが、達成率100%にしようと思ったら、「人に言いまくる」ということは一番大事です。その意味では「わくわくwatchシート」だけではなく、「人に言う」というステップがあって完成でしょうね。
――どのような人に人生設計マップを見せたり、自分の夢を言うのがいいのでしょうか。
知明:私はあらゆる人に言っています。出会った人みんなに言っていると、その中で私の考えていることに共感して、協力してくれる人が必ず現れるんですよ。
例えば、私の「人生設計マップ」の中に動物保護について書いている区画があるんですね。これはバージョンアップを重ねても変わらない部分です。
今、日本で犬や猫の殺処分が問題になっていますけれど、それをなくしたいと思っているんです。それをいろんな人に言うと、「ぜひやってほしい」ですとか「何かできることがあったら言ってください」という声をいただくんですよ。そのたびにプレッシャーを感じるのですが(笑)、本気で取り組もうという思いにはなりますよね。だから、人に言うということはすごく力を発揮するなと。
――最後になりますが、本書をどのような人に読んでほしいですか?
知明:私がよく使う言葉に「何のために病」というのがあるのですが、今、世の中に「何のために頑張っているかわからない」っていう人がすごく多いと思うんです。私自身も会社を10数年やってきていろんな社員を見てきましたけど、やはり入社して半年はモチベーションが高いのに、年月が経つにつれて「何のために頑張っているんだろう」という思いが湧いてくる人って多いんですよね。
「何のために病」にかかると、いろんな現実がネガティブに見えてしまったり、上司や同僚などの周囲のせいにしたりして、結局退職してしまうということになります。だから、もし今、「何のために頑張っているか分からない」と思っている人には、ぜひ本書を読んでいただいて、もう一度人生と向き合う時間を設けてほしいなと思いますね。
また、将来的な野望なのですが(笑)、この本が小学校の授業で使われるといいですよね。「人生」という新しい教科をつくって。小さな頃から見たり触れたり、作ったりして習慣化することで、目標や夢に対してしっかり前に進めるのかなと思います。大人になってから「人生設計を書いてみて」と言われても難しいじゃないですか。だから、このシートが小学校の授業で使われているという未来を私は想像しています。
(了)
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