お金に苦労する人生はできることなら避けたいもの。
そのためには「稼ぐこと」と同じくらい「出て行くお金」について知ることも大切です。特に税金は、社会人でも案外知らないもの。自分がどんなことにどれくらい税金を払っているか知っていますか?
『20歳の自分に教えたいお金のきほん』(池上彰+「池上彰のニュースそうだったのか!!」スタッフ著、SBクリエイティブ刊)は若い世代向けに、投資や経済の仕組みなど、お金をめぐる様々な知識を授けていきます。その一つのテーマが「税金」です。
所得税や住民税、消費税などは、どれくらい払っているかなんとなく知っていても、払っている自覚がない税金もなにかとあるもの。
たとえば、二十歳になったら飲めるお酒。ビールの場合だと、販売価格の約40%は税金です。ビールが好きで500mlのロング缶を毎日1本飲む人が、それを60年間続けると実に219万円の税金を払っていることになります。
もっと税率が高いのはタバコ。540円のタバコを毎日1箱60年間吸い続けると、払う税金は約620万円にものぼります。ビールもタバコも嗜好品。好きな人だけが払い続ける類のものですが、この金額を考えると「すこし控えようか」となる金額ですよね。
お酒とタバコだけどうしてこんなに税金を取られるのか、と疑問に思う人もいるはず。その理由は明治時代にさかのぼります。日清戦争、日露戦争の2つの戦争を経験し、戦費で多額のお金を必要とした政府がお酒とタバコに目をつけた、というのが今の高税率の発端だったようです。
特に酒税は明治32年には国の税収の一位となり、税収のまさに柱でした。当時贅沢品だったビールを飲めるのは一部のお金持ちだけ。彼らが飲むものに高い税を課しても、人々は反対しなかったそうです。
タバコについては、広く知られているように、葉の買い上げから製造・販売まで国が一括で引き受ける専売制が、1985年に廃止されるまで長く続いていました。「商売敵」がいないといくら税金を上げても反対はありません。お酒もタバコも政府にとっては税金がとりやすい便利な商品、ということで戦後も税金の引き上げは続き、現在ではお酒とタバコから国に入る税収はそれぞれ1兆円ほどにもなるそう。
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お酒やタバコ以外にも、意識することなく払っている税金には様々なものがあります。こうしたものについて調べてみるのはお金の知識をつけるのにもってこい。本書では、それらの税金がどんなことに使われているのかまで解説。自分の払ったお金の流れを教えてくれます。
お金を「稼ぐ」「増やす」ために、そして損をしたり騙されないために、知識は必須。本書はそのための手引きをしてくれるはずです。
(新刊JP編集部)
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