「思っていることが顔に出やすい」と言われたことはないだろうか。
自分としては隠しているつもりでも、本音はしっかり顔の表情に出ているもの。隠し事があるなら、表情に気をつけた方がいい。
表情は人が生まれながらに持っているコミュニケーションのシグナルであり、文化や民族、性別、年齢、時代に問わず、考えていることは顔に表れることがわかっている。
さまざまな表情の中で、0.5秒ほどだけ人の顔に表れる無意識の表情のことを微表情という。
相手の顔の一瞬不自然な表情がよぎるのを見た経験は多くの人が持っているはず。この微表情を読む技術を手に入れれば、無意識に表れるサインやコミュニケーションのシグナルに気づき、相手の感情を把握しやすくなる。本心とは違うことを話していることに気づいたり、ウソを推測したり、心の病の兆候を察したり、交渉相手の真意に気付いたり、会話の流れを掴んだりと、仕事での交渉や普段のコミュニケーションでも役立てることができるのだ。
『裏切り者は顔に出る-上司、顧客、家族のホンネは「表情」から読み解ける』(清水建二著、中央公論新社刊)では、「攻撃を目論んでいる表情」や「理性を失った顔」の表情や微表情をもとに、相手のホンネを見抜き、人生に役立てる方法を紹介する。
著者の清水建二氏は、日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人であり、微表情読解に関する各種資格も保持しており、官公庁や企業での研修やコンサルタント活動、犯罪捜査協力などを精力的に行っている。
幸福・軽蔑・嫌悪・怒り・悲しみ・驚き・恐怖の7つの感情が表情に表れるとき、国や文化を問わず、いつでも、どこでも、誰にでも同じ表情筋の動きが伴うことがわかっている。
たとえば、軽蔑の感情。軽蔑感情とは、優越感、さげすみ、冷笑などを含むネガティブな感情の総称をいう。軽蔑表情の特徴は1つ。片方の口角が引き上げられること。右の口角か左の口角どちらでも構わない。口角に動きによって、片方の頬が引き上げられ、片方のホウレイ線のしわが横に広がる。軽蔑が強く感じられるほど、口角が引き上げられるのが強く、弱く感じられるほど弱く表れる。
さまざまな生成研究によって、感情と表情に一定の対応があり、表情は生まれ持った現象であることが証明されている。2021年現在、万国共通の7つの表情として特定されているという。
微表情検知スキルは、米軍やFBI、CIAなどでも駆使されている。ただ相手の顔を見て話すだけでは人の本音はわからないものだが、微表情に注目してみると、相手の考えていることが予測できるかもしれない。交渉やコミュニケーションで、相手の微表情を探ってみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)
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