今の自分にどれくらい満足しているか。
ここまでの人生の満足度は?
こんなことを聞かれた時、「100%」と答える人は少ないはず。同時に「0%」と答える人もあまりいないはずだ。望んだことをすべて実現できることは考えにくいし、かといってまったくの不満足でもない。ほとんどの人の人生は、この両極端の間の「そこそこ」の位置にある。
「100%」は無理でも、すこしでも人生の満足度を高めたいと思っている人は、向上心が強く意識の高い人だろう。常に自分を進化させていきたいと自然に考えらえるなら、それはもちろんすばらしいことだ。
『人は自分に嘘をつく ガマンしないで幸せに生きるための7つの法則』(勝友美著、KADOKAWA刊)はそんな人のための本。人生をいい方向に変えていける人の法則が7つ紹介されている。
たとえば「何事も全力でやる」。
大人になるとどうしても損得を考えて「この人から頼まれたことは一生懸命やるけど、あの人からの仕事はそこまでがんばらなくてもいいか」となったり、「給料分だけ働けばOK」と力の抜きどころを覚えるようになる。
この価値観自体は否定できるものではないが、力を抜くこと、能力を出し惜しむことの弊害もやはりある。力をセーブして「7割」でやった仕事が100点満点の出来になることはないし、「5割」であればなおさらだ。自分の能力を高めるのは、損得を捨てて自分が納得できるところまでがんばった経験しかない。
販売員であれば、「事務は苦手だけど、接客だけは全力でやってきた」とかオフィスワーカーなら、「営業はできないけれど、数字の管理にはしっかり取り組んできた」など、損得を顧みずに自分が一生懸命になったことは、ずっと自分の中に残ります。
それが1つでもあれば、必ず自分の自信に繋がります。(P42より)
もちろん、ひとりの人が抱える仕事でさえ大小さまざま、種類もさまざまだから、すべての仕事を全力でこなすのは現実的ではない。だから、「これだけは手を抜かない」「ここだけはどこまでも追究する」というものを持ちつつ「相手によって力の入れ方を変えないこと」を心がけておくといいのではないだろうか。
周囲から信頼される人は、何でも自分の言うことを聞き入れてくれる人ではなく、自分の意見をはっきり言える人、誰かにとっての「都合のいい人」にならない人だ。つまり「迎合しない人」である。
一度迎合したら、そこには相手との上下関係が生まれ、関係を「フラット」に戻すのは大変になる。それならばどんな人が相手であっても、最初から迎合しないほうがいい。当然だが、そちらの方が自分に誇りを持てる。
誰だって人を嫌な気持ちにさせたくはないし、怒らせてしまったらどうしようと考えることもある。しかし、その先にあるのは自分の考えではなく「相手が聞きたいこと」を話す迎合者であり、相手の言うことを何でも引き受けてしまう御用聞きとしての自分なのだ。
◇
物事に全力で取り組み、誰にも迎合せずに自分の考えを言う。
これだけでもすごいが、本書には自分の人生をいい方向に変えるための法則がまだまだ取り上げられている。
キーワードになるのはタイトルにある「人は自分に嘘をつく」の一言。自分に嘘をつくとはどういうことか。本書を読めばその意味がわかり、限りなく満足度100%に近い人生を送るために何をすればいいかがわかるはずだ。
(新刊JP編集部)
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