新型コロナウイルスのパンデミック、ロシアのウクライナに対する軍事行動、北朝鮮のミサイル実験などなど...世界中でさまざまな問題が起き、私たちは連日ニュースでそれを目にしている。
だから、何が起きているかだいたいのことはわかるという人でも、なぜこのようなことが起こっているのかと問われたら、上手に説明できないかもしれない。そもそも一定レベルの知識がなければ、何が起こっているかニュースや新聞だけではわからない人もいるだろう。
世界で起きていることを理解するためには、グローバル(地球全体)とローカル(各地域)、インターナショナル(国際)とドメスティック(国内)を同時並行に理解する必要がある。特に「歴史」と「地理」の2つを同時に身につけると、複雑な国際関係も日本の立ち位置も見えてくる、とするのが『1日1ページで身につく! 歴史と地理の新しい教養365』(伊藤賀一著、幻冬舎刊)だ。
本書では、「週ごとにある1つのテーマ」を設定し、それに関連する内容を、月(地理)、火(歴史総合)、水(公共)、木(日本史)、金(世界史)、土(政治・経済)、日(倫理)と1週間かけて、さまざまな視点からアプローチして解説する。
著者の伊藤賀一氏は、リクルート運営のオンライン予備校「スタディサプリ」で、高校日本史・倫理・政治経済・現代社会・中学地理・中学歴史・公民の7科目、2022年春からは新科目の歴史総合・公共を加えた9教科を担当する「日本一生徒数の多い社会講師」だ。
その第20週では「自然災害と防災」をテーマに、7日間に渡り解説している。たとえば、月曜日の地理では「なぜ日本は災害が多いのか」について取り上げている。温帯の温暖湿潤気候を中心に、南は亜熱帯、北は冷帯、に位置し、夏は南東から、冬は北西から季節風が吹く日本。また、環太平洋造山帯に属し火山が多く、4つのプレートがぶつかり合う境界部に位置しているので、地震が多く発生するなど、日本列島は災害が多い。
水曜日の「公共」では、「どんな災害時に警報が出るのか」について。自然災害への備えとして、「防災」で災害を防ぐ対策と「減災」で災害を減らす対策の2つの考え方がある。
気象庁は、災害が起こる恐れがある場合、「予報」より上位の「注意報」を出す。重大な災害が起こる恐れがある場合は、さらに「警告」や「特別警報」を出す。その種類は、大雨。大雪・暴風・波浪・高潮・津波・洪水など。また、巨大地震を予知した際に緊急地震速報を出す。
というように、1つのテーマで1日半ページで1つ、2分程度で地理と歴史を中心に社会科全体の基礎知識、教養を学ぶことができる。
本書では、52週分のテーマを掲載。気になるテーマ、興味のある分野から読んでみてはどうだろう。歴史と地理から基礎教養を学べば、現在世界で起きている問題の理解が深まるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)
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