政府から「貯蓄から投資へ」という方針が打ち出され、日本でも少しずつ投資が定着してきているように見える。
その一方で、「急に投資と言われても」と戸惑ってしまう人もいるだろう。
投資の中でも代表的なものの一つが「株式投資」だ。そしてこの株式投資のマーケットは日本だけでなく、世界に目を向けることも可能だ。
町田健登氏は仕事に赴任したフィリピンで投資の勉強を始め、フィリピン株投資で資産を増やし、31歳で純資産1億円を達成した。そんな町田氏の著書である『社畜会社員から資産1億つくった僕がフィリピンの株を推すこれだけの理由』(ぱる出版刊)には、初心者でもフィリピン株に注目すべき理由が書かれた一冊となっている。
町田氏はフィリピン株投資を通して、株式投資の本当の意味を考えるようになったという。フィリピンというマーケットをフィールドにしているからこそ分かった「本質」とは。
(新刊JP編集部)
――今、日本でも「貯蓄から投資へ」という流れが少しずつ生まれているように思います。その投資の中でも最も代表的なものが「株式投資」です。町田さんご自身は株式投資をすることにどんな意味を見出していますか?
町田:これは私の持論になるのですが、株は利益目的でやると結果が出ないと思っているんです。株には、すぐには大きな利益は出ないけれどリスクは少ない長期投資や、ドル・コスト平均法みたいな買い方もあります。でも、楽をして儲けたいという気持ちが強いと、リスクの高い投資法に手を出して失敗してしまったりするんですよね。
では、株式投資で結局どういう人が結果を出すのかというと、私は愛情深い人だと考えています。例えばある会社の株価が暴落したときに、もっと下がるんじゃないかとその株を手放してしまったり、あえて買い控えをしてしまったりする人がいます。でも、その会社のことをよく知っていて好きならば買い増すという手段で助けることもできるわけですよね。
損得で考えているとそういうことはできないけれど、その会社をしっかり勉強して、社長の理念に共感していて、少しでも頑張ってほしいという気持ちがあれば、行動できるはずなんです。
これは特にフィリピンのマーケットを見ているからこそ強く感じることです。例えばフィリピンの通信会社が成長すれば、今後フィリピン全土に通信網が拡充し、田舎の島に住んでいる子どもたちにもインターネットがアクセスできるようになる。そういう未来を想像して株を購入するわけです。もちろん、お金も儲かりますが、それより、自分の投資が企業の成長や国の経済の発展に貢献できることに意義があります。
社会にとって大事なことをやっている企業だけど、今は株価が下がっている。じゃあ、自分が応援しよう。そういう気持ちで株式を買い増ししながら、社会に寄与していくことが株式投資の本質なのではないかと思います。
社会貢献と言うと偽善っぽく聞こえるかもしれませんが、それでもやらないよりやったほうがいいでしょう。フィリピン投資はまさに国際貢献であって、国際的な感覚も身についていくので、ぜひ株式投資を通して世界を知っていってほしいと思いますね。
――確かに「すぐに」「楽して」儲けられるものを人は求めているようにも思います。お金のことしか見えていないと、自分の投資が仮に良い影響を生んでいても、それが分からないままですよね。
町田:国際貢献のことをお話しましたが、日本に目を向けてもいいんです。ただ、日本の場合は今後も人口減少は続いていきますから、マーケットがどんどん小さくなっていくことは容易に想像できます。それこそ、外国人の力を借りない限り、戦えなくなるでしょう。
そういう中で、未来のためになる投資とは一体何かということを自分の頭で考えることが大切です。それが引いては、自分の人生を会社から取り戻すことにつながるかもしれません。
――投資をしながら学んでいくという姿勢が問われるということですね。そこでうかがいたいのですが、やはり途中で上手くいかない時期が出てくると思うんです。そうした不安をどのように乗り越えていけばいいのでしょうか。
町田:上手くいかない可能性から、株式投資に手を出さない。もしくはやめてしまうという人もいますよね。
まずは本当のところのリスクとは何かを考える必要があります。先ほど言ったように、この先、日本は人口減少でマーケットが縮小していくでしょう。購買力も低下して、株価だけでなく、自分の年収が下がっていく可能性もあります。
つまりこの先、今の生活が持続すると思っているのが大きな間違いで、10年、20年と時間が過ぎていったときに、今よりも生活レベルが下がる可能性があるわけです。じゃあ、10年後、20年後にそれを後悔しないようにするにはどうすればいいか。そこで何もしないということは、資産運用するための最も大切な時間をリスクに晒してしまっているだけだと思います。
この時代に日本に生きていて、世界に目を向けずに日本円だけ見ているというのはリスクヘッジができていないですよね。だから、国際マーケットに目を向けるということは大切だと思います。
――基本的に世界の経済は伸びていくことが前提ですから、日本ではなく世界に目を向けることは大切だと思いますね。
町田:賃金一つとっても、世界中があがっている中で日本は上がっていません。データをしっかり見て、正しい状況判断をするべきだと思います。
――では最後に、本書をどのような人に読んでほしいとお考えですか?
町田:株式投資初心者の方にぜひ読んでほしいです。フィリピン株は価格が安く、2000円、1万円から可能です。私にもいろいろな方から投資について相談が寄せられていますが、皆さんしっかりと結果を出されています。
また、本書にはメリットだけでなくリスクもしっかり書いていますし、実際にフィリピン株にチャレンジした方がどんな風に人生を変えていったかも載っていて、読み物としても面白くまとめたつもりですので、投資が怖いと思っている人にも読んでいただければ、株式投資への印象が変わるはずです。
(了)
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