経済的にも、子育てや家事の面でも、家庭におけるパパの役割は大きい。
父親が家庭内でどうあるべきかについては人それぞれ考えが違うはずだが、家族全員がやりたいことを見つけてチャレンジしている状態は家庭生活の一つの理想。そのためにまず、パパ自身がやりたいことに打ち込んでチャレンジする姿、成長しようとする姿を見せるのも一つの手だろう。
ただ、実際には仕事に疲れ、家庭内でのコミュニケーションでストレスを抱えて、自己実現にまで気持ちが向かわない人も多い。
この状況、どうにかならないのだろうか?
『パパこそ日記をつけなさい』(パパコーチゆーき(浅黄祐樹)著、幻冬舎刊)は、自分の夢に挑戦し、家族のチャレンジをサポートできるパパになるための考え方とやるべきことを紹介していく。
妻との信頼関係や子どもとの関わり方をとっても、うまくできていないと「チャレンジをサポート」どころではなくなってしまう。その意味で、家族とのコミュニケーションは重要なポイントだ。
夫婦といっても赤の他人。自分には自分の、パートナーにはパートナーの世界観があります。それぞれが持っている世界観の中で、如何に気持ちよく会話ができるかがポイント。(P 60)
長く結婚生活を続けると、だんだんと遠慮がなくなったり、コミュニケーションが雑になってしまう夫婦は少なくない。しかし、本書で指摘しているように、夫婦といえども元々は他人同士。一定の気遣いは必要だ。
・同情より共感を...ママ(妻)が悲しい気持ちになっている時、一緒に自分も悲しくなるのではなく、ママの気持ちを理解しつつも一緒に落ち込まない。
・「ありがとう・ごめんなさい」は会話の出だしに...感謝は照れくさく、謝るのは議論に負けた気がして悔しい。そんな理由から「ありがとう・ごめんなさい」を素直に言えないパパ(夫)は多い。
・お願いごとは主語をI(アイ)に変える...「子どもの寝かしつけしてくれる?」より「子どもの寝かしつけしてくれると(僕は)嬉しい」の方が相手を不快にさせない。
・断る時は代替案を...相手からのお願いを断る時は「言いにくいんだけど」「ごめんね」などクッション言葉をつけると同時に、代替案を伝える。
など、ちょっとした気遣いで相手の印象はまったく違ったものになる。本書にはこうした気遣いや接し方が多く紹介されており、参考になるはずだ。
ただ、先述のように家族全員がやりたいことにチャレンジしている家庭を作るためには、何よりパパ自身がチャレンジし、成長する姿勢を見せなければ説得力がなくなってしまう。本書では、生活や仕事に忙殺されて自己実現を諦めないために、パパに対して日記をつけることをすすめている。
・人生の目的、目標を明確にできる
・その日やるべきアクションが明確になる
・軌道修正すべきポイントが明確になる
本書では日記の持つこれらのメリットから、自己実現に有益だと説く。人間の意思はそれほど強くはない。慌ただしい毎日が続くと、昔持っていた夢も色褪せてしまう。「なりたい自分」を現実的な目標として繋ぎ止めておくためにも、日記は有効なのだ。
◇
自分も家族もいきいきと生活し、自己実現を目指す家庭を作るためにパパがやるべきこと、考えるべきこと、家族への言葉がけや接し方まで、本書には多岐にわたり解説されている。
子どもからは尊敬され、妻からは愛される家庭人であるために、今何をすべきかがわかる一冊だ。
(新刊JP編集部)
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