平野レミさんといえば、その明るいキャラクターと大胆な料理方法でお馴染み。そんなレミさんの新刊『家族の味』(ポプラ社)が3月9日に発売される。
本書はただの料理本ではない。「愛情いっぱいの、家族とお料理のエッセイ」である。
「結婚は、わたしの料理の腕を上げました。子どもが生まれたことは、食べ物を真剣に考える糸口になりました」
レミさんがはじめてお料理をした思い出から、日本を代表するイラストレーターである夫・和田誠さんとのなれそめ、子育て方針まで、さらに31品のオリジナルレシピ、夫婦対談、阿川佐和子さん、清水ミチコさんとの鼎談を収録している。
「レミちゃん、おいしいね」というみんなの言葉につられて
レミちゃんは、とんでもなく料理上手になっちゃった。――阿川佐和子
清らかな心No.1の黒柳徹子さん曰く、「いいえ、一番は平野レミさん!」。
読めば納得。レシピは歴史。――清水ミチコ
「自分で作ったものがこんなにおいしいんだ」という経験をとおして、レミさんは少しずつ料理をしていったという。
夫、二人の息子、お客さん、そして自分のために頑張っていたら、アイデア料理が次々誕生。「歌手の平野レミ」が「料理愛好家の平野レミ」として料理本を出し、料理番組で大活躍するように。
夫は生前、「お茶一杯、ごはん一杯でもうちのは格別」と言っていたそうだ。「味そのものより、きっと、家族で食卓を囲む喜びが格別だったのではないか」と振り返る。
「味覚で家族が繋がって、絆を強くすることを、私は"ベロシップ"と呼んでいます。(中略)忙しくてスキンシップが足りないときでも、家族に心のこもったお料理を作っていれば、知らず知らずのうちに強い絆で結ばれていくんじゃないかしら」
レミさんと和田さんは、出会って10日で結婚を決めたという。そして47年間をともに過ごした。各種インタビューで、レミさんは亡き夫への溢れんばかりの感謝を語っている。
コロナ禍でおうちごはん、おうち時間が増えたことで、食事、そして家族が生きていくうえでいかに大切か、改めて気づかされた人は多いだろう。
「家庭はいちばん安心できる場所。そこを笑顔で満たすには、おいしい料理が近道です。だから、私のモットーは、『キッチンから幸せ発信!』」
キッチンに立つ人が、心をこめて料理をする。その日々の積み重ねが、家庭を笑顔で満たすことにつながる。そう思うと、なんとなくしていた料理に俄然やる気がわいてくる。レミさんの美味しいエッセイを読んで、わが家の"ベロシップ"に挑戦してみるのも楽しそうだ。
■目次
はじめに
「シロウトだから」がスタート地点
オリジナル料理第一号
母のステーキは天下一品
妻として・母として
ベロシップで家族の絆が強くなる
食材には人格がある
ダシのお話を基本から
味つけの楽しみ
手抜き料理もレパートリーのうち
オリジナル料理のヒント
お料理も好き、歌も好き
あとがき
レシピさくいん
夫婦対談
和田誠×平野レミ
鼎談「和田誠を偲ぶ」
清水ミチコ×阿川佐和子×平野レミ
■平野レミさんプロフィール
料理愛好家、シャンソン歌手。主婦として料理を作り続けた経験を生かし、NHK「平野レミの早わざレシピ」など、テレビや雑誌を通じて数々のアイデア料理を発信。著書多数。
■和田誠さんプロフィール
グラフィックデザイナー、イラストレーター。59年多摩美術大学卒業。ライトパブリシティに入社。68年からフリー。77年より40年余り「週刊文春」の表紙を担当。受賞多数。著作は200冊を超える。2019年逝去。
本書は、2007年に刊行された『笑ってお料理』(ちくまプリマ―新書)に加筆・修正のうえ、新たに原稿を追加・再編集し、単行本化したもの。
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