いま、高額な葬儀費用を請求されてトラブルになるケースが増えているという。中には自己破産に陥る人も。何も知らない喪主が、悪徳葬儀社のカモにされてしまうのだ。
突然、身内に不幸が起きて、自分が喪主になるかもしれない。あるいは、喪主をサポートする立場になる場合もある。いずれにせよ、急な葬儀に冷静に対応できる人はそう多くはないだろう。何をすればよいのかわからず葬儀社に言われるがままに葬儀を済ませたら、後から高額の請求をされた......なんてことにならないよう、最低限の知識は身につけておきたい。
本書、『初めての喪主マニュアル』(LET)は、葬儀のプロが、喪主の務めの「きほんのき」をまとめた一冊。著者は、数々の葬儀会社で副社長や取締役を歴任した栗本喬一さんだ。
<「何をしたらいいですか?」 ―これがご相談のご連絡をいただく時に一番多い質問です。
初めて喪主となられる場合に、焦り慌てることなく落ち着いてご葬儀を手配いただけるよう、葬儀の手配から逝去後の手続きまで、喪主の行うべきアクションを1冊で網羅したHow to本を出版いたしました。(中略)経験者の事例も盛り込み、初めての方でもご経験のある方でも分かりやすく執筆いたしました。>
実際に喪主になった人たちが、「葬儀で困ったこと」トップ3は以下の通り。
第1位:見積もりと実際の請求金額が違う
第2位:希望しているプランと違った
第3位:僧侶とお布施で揉めた
お金に関するトラブルが多い。大切な人を失い悲しみに暮れている中で、冷静に交渉や判断をこなすのは難しい。葬儀に関するコストカットは「不謹慎」という気持ちにつけ込まれることも......。
また、「葬儀後の対応で困ったこと」は、
第1位 位牌や香典返しなどの一般常識がわからない
第2位 相続に関する相談を誰にしていいかわからない
第3位 各種手続きをいつまでにすればいいかわからない
となっていて、こちらもお金に関する内容が上位を占めている。人によっては葬儀にかかった費用の一部を保険でまかなえたり、高額な医療費の一部を還付してもらえたりする制度がある。また、保険証などは亡くなってから5日以内に返却しないと罰金や余計な保険料が発生することも。
<多くの人が経験しながら学んでいますが、そもそも喪主になる機会自体が多くないので、実は損をしていることにすら気づいていない人も多いのが実情です。>
本書では、親が危篤状態になってから四十九日の法要が済むまでの流れ、それぞれのタイミングでやるべきことを細かく解説している。また、葬儀や葬儀後の手続きに関して実際に質問が多い事項をQ&A形式でまとめている。
危篤から初七日までの全体像は、次の通りだ。
・危篤状態(2~3日以内)
親族に一報を入れる。親しくしている菩提寺に依頼の旨を伝えたり葬儀社を探したりする。
↓
・逝去直後(当日)
医師による死亡確認と死亡診断書の記載。末期の水や着替え。遺体の安置場所の確保と搬送、葬儀社選び、死亡届の提出、納棺など
↓
・葬儀社との打ち合わせ~お通夜(当日~3日以内)
喪主の決定。葬儀の規模や形式、日時を決定し案内を出す。戒名をつけてもらう。お坊さんに読経の依頼。お通夜の準備。
↓
・お通夜~火葬~初七日法要(翌日以降~7日後)
お通夜、葬儀&告別式を取り仕切る。出棺して火葬場へ移動。骨上げ。初七日法要
ここに記載したのは一部だが、膨大な量の作業が必要となる。本書を一読しておけば、いざという時に慌てずに済みそうだ。
本書の目次は以下の通り。
プロローグ
第1章 危篤から初七日全体像
1.危篤状態になったらやること
2.逝去直後にやること
第2章 葬儀社との打ち合わせ
1.喪主を決める
2.戒名を決める
3.通夜や葬儀の日程、プランの相談
4.葬儀の案内を出す
5.お坊さんに読経の依頼をする
第3章 お通夜~火葬~初七日法要
1.通夜、葬儀の準備
2.火葬の流れ
3.初七日法要
4.四十九日法要
第4章 アクションチェックシート
1.危篤状態になったらやること
2.逝去されてから通夜までにすべきこと
3.通夜の当日に行うこと
4.葬儀、告別式で行うこと
5.初七日までにやること
6.初七日の準備
第5章 手続き編
1.逝去後2週間までにやること
2.逝去から3ヶ月以内にすべきこと
3.遺産相続手続き
4.一般的な葬儀の費用とコストダウン方法
5.よくあるお困りごと
6.喪主経験者が語る葬儀の失敗事例 まとめ
身内の死は考えたくないことだが、満足のいく形で送り出したい人も多いだろう。心がかき乱される中で少しでも落ち着いて手配をできるように事前に学んでおくと良さそうだ。
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