とうとう夏休み本番、子どもの読書感想文に悩んでいる親も多いことだろう。どんな本を勧めれば? そこで今回は、小学3・4年生の読書感想文におすすめの本をご紹介しよう。
『みんなのためいき図鑑』
村上しいこ 作、中田いくみ 絵/童心社
まずは、今年の青少年読書感想文全国コンクールの課題図書から。
小学4年生のたのちんたちは、授業参観のためにオリジナル図鑑を作ることになった。たのちんの班が決めたテーマは「ためいき図鑑」。班のひとりで保健室登校の加世堂さんも一緒に図鑑を作れないかと、たのちんはある提案をするが、他のメンバーともめてしまい......。
いつも元気いっぱいに見える子どもたちは、大人が思うよりも「ためいき」をついている。児童クラブでの取材をもとに、子どもたちのリアルな気持ちを描いた本書は、きっと読む子どもの本音を引き出してくれるはず。
BOOKウォッチの紹介はこちら<子どもたちの「ためいき」を描いた児童書が、読書感想文の課題図書に>
『AIロボット、ひと月貸します!』
木内南緒 作、丸山ゆき 絵/岩崎書店
小学4年生の栄太は、未来科学研究所のイベントで来場10万人目のお客様に選ばれ、所長さんから最新のAIをひと月だけ貸してもらえることになった。
AI搭載の「分身ロボット」に、栄太は「エイト」と名前をつけ、自分の面倒なことを全部やってもらうように。ぼくにそっくり、そしてぼくよりも優秀なエイト。でもだんだん、自分を乗っ取られるのではないか? と栄太は不安を抱き始めて......。
これからAIが発達していく時代ならではの児童文学。物語の後半では、心が通うはずのないロボットと人の"友情"が描かれ、ハートフルな感動がある。
『おれは女の子だ』
本田久作 作、市居みか 絵/ポプラ社
おれは小学3年生の豊田すばる。おれはピンク色が好きだから、ピンク色で絵を描いたら、クラスメートの鈴木に「女の子みたいだ」と笑われた。頭にきたからこう言い返してやった。「そうだよ、おれは女の子だよ。文句あんのか」するとそこから友達や家族まで巻き込んで、どんどんややこしくなっていって......。
「女の子だ」と宣言したのだからと、姉ちゃんや母ちゃんはすばるにピンク色の服やスカートを着せて登校させる。でもやっぱり、女の子の気持ちになるのは難しい。
他者の立場に立って物事を考える「エンパシー」の挑戦が描かれた作品。性別の壁をぶちこわす、大事な読書体験になるはずだ。
『先生、感想文、書けません!』
山本悦子 作、佐藤真紀子 絵/童心社
「わたしには、感想文、むり!」
そう思っている子どもも少なくないのでは。小学3年生のみずかは、夏休みの登校日に堂々と「感想文、書けません」と訴える。みずかは決して本が嫌いなわけではない。
「おもしろい本を読むと、むねがいっぱいになるの。ああ、よかったなあ、おもしろかったなあって」
「先生、なんで感想文って書かなくちゃいけないの? わたし、本は読んでるし、ちゃんとおもしろかったよ。ああ、よかったぁだけじゃだめなの?」
みずかの問いかけに、担任のえりか先生はどう答えるのか? 読書感想文を前に、同じように思っているお子さんにぜひ。
読書感想文を書くときは、こちらを参考にしてはいかがだろう。
『脚本家が教える読書感想文教室』
篠原明夫 著/主婦の友社
本書は、1500人以上の子どもが受講し、「3時間で子どもが変わる」と大人気の読書感想文講座をまとめた本。メソッドのすべてが載っているので、講座に通わなくても家ですぐに実践できる。
本書で紹介されている読書感想文メソッドとは、その名も「フレームワークメソッド」。原稿用紙を数行ずつのフレームに分けて、フレームごとに書いていく手法だ。800字や1200字を一気に書くのは、子どもにはハードルが高い。フレームワークメソッドは、数行ずつ書いていくので子どもにとって書きやすく、文章が整う。
「子どものやる気がないときはどうすれば?」「語彙が乏しく、同じ言葉ばかり使っているが......」といった、親から見たお悩みに答えるページも。親子とも読書感想文の悩みを解決できる一冊だ。
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