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「毎日マスク」が危ない! 脳科学者が子どもの発達へのリスクを緊急提言

マスク社会が危ない 子どもの発達に「毎日マスク」はどう影響するか?

   私たちがマスク生活を送るようになって、2年以上が経った。学校や保育機関では特にマスクの着用が徹底されているが、「毎日マスク」は子どもの成長に影響はないのだろうか。

   2022年10月24日発売の『マスク社会が危ない 子どもの発達に「毎日マスク」はどう影響するか?』(宝島社)では、京都大学の脳科学者・明和(みょうわ)政子さんが、マスク生活が及ぼす子どもの発達への影響に警鐘を鳴らし、「脱マスク」への処方箋を提言する。

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   感染対策として「密」を避けマスクで顔を覆うことが継続されているが、これらが子どもたちの心身の正常な発達を阻害するリスクについては「黙殺」されている、と明和さんは指摘する。

   マスクをつけることで「表情が読めない」ことは、子どもたちの脳と心の発達の面で問題があるという。本書では、次のような項目について明和さんが論考していく。

赤ちゃんは相手の目よりも口元に注目している
乳幼児期の「心地いい感覚」が脳を育てる
他者との"絆"によって育まれる脳の前頭前野
子どもの正常な発達には「密」が欠かせない
ヒトは「サル真似」によって心身を育てる
「なんでもすぐ消毒」に潜む健康リスク
素顔を晒すことに抵抗を覚える子どもたち
「いっせいにマスクを外そう」はナンセンス
不安ばかりを煽りがちな日本のメディア

   第3章にはジャーナリスト・鳥集徹(とりだまり・とおる)さんとの特別対談も収録。目次は以下の通りだ。

まえがきにかえて 明和政子
第1章 「毎日マスク」で子どもたちの発達が危ない
第2章 ポストコロナ時代を生きる子どもたちに何ができるか
第3章 特別対談 明和政子×鳥集 徹
パンデミックで浮き彫りになった「子どもファースト」からかけ離れた日本の実態
あとがきにかえて 鳥集 徹

   多くの地域で、小学校では運動会などのイベントもいまだ通常通りには開催されず、給食の時間も黙食が続いている。入学式からずっとマスクをしていて、「友だちができない」と悩む子もいると聞く。感染対策は必要だが、子どもたちの心身の成長における影響が気になるところだ。

■明和政子さんプロフィール
みょうわ・まさこ/京都大学教育学部卒。同大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。京都大学霊長類研究所研究員、京都大学大学院教育学研究科准教授を経て、現在、同大学院教授。ヒトとヒト以外の霊長類を比較し、ヒト特有の脳と心の発達とその生物学的基盤を明らかにする「比較認知発達科学」という分野を世界に先駆けて開拓した。著書に『ヒトの発達の謎を解く─胎児期から人類の未来まで』(ちくま新書)、『まねが育むヒトの心』(岩波ジュニア新書)など。NHKスペシャルの監修・出演など、現代社会に生きるヒトが抱える問題を最新科学の知見から解説する活動にも力を注いでいる。2022年10月より放送開始の『こどもちょうせんバラエティ いろりろ』(読売テレビ)の監修も行っている。


※画像提供:宝島社

 
  • 書名 マスク社会が危ない 子どもの発達に「毎日マスク」はどう影響するか?
  • 監修・編集・著者名明和政子 著
  • 出版社名宝島社
  • 出版年月日2022年10月24日
  • 定価990円(税込)
  • 判型・ページ数新書判、192ページ
  • ISBN9784299033727

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