昨年、50歳でTBSを退社したアナウンサーの堀井美香さん。現在はジェーン・スーさんとともに人気ポッドキャスト「OVER THE SUN」でパーソナリティを務めるほか、テレビでナレーションを担当したり、オーディオブックで林真理子さんのベストセラー『奇跡』を朗読したり、フリーになっても相変わらず忙しい日々を過ごしている。
そんな堀井さんが、2月18日に著書『一旦、退社。50歳からの独立日記』(大和書房)を上梓する。退社前からの約9カ月の記録を日記形式で綴ったエッセイ集だ。
1995年、女子アナブームの真っただ中に、TBSに入社した堀井さん。2年目で結婚し、第一子を出産した。その後、2人目の子どもも生まれ、母として、アナウンサーとして、27年間ひたすらに走り続けてきた。子育てが終わり、アナウンサーとして確固たる地位を築きあげ、さらなる活躍が期待されていたであろう時期に、なぜ「一旦、退社」という選択をしたのだろうか。
その理由の一端がわかる一節を紹介しよう。
結局私は"型にはまる"ことが、ただただラクだったのだ。「アナウンサー」である自分。
「母」である自分。何かの枠でくくられた方が生きやすかった。
早々に模範演技を見つけて、それを真似ることは苦ではなかったし、用意された枠の中は居心地がよかった。そこに安住もしてきた。
会社ではアナウンサーとして周囲の目が安心する服を選んできた。ニュースを伝える時に腕を出すなんて。大きなイヤリングはやめなさい。普段はあまり目立たないように。
そうして自由だった若い頃の自分を清算するように、型の中に自分を縛りつけた。
結果、私の洋服は黒と白、ベージュだらけになり、クローゼットの中身はどんどん体裁を整えていった。
なのに今日、ノースリーブを着た。(本文より一部抜粋)
型にはめられることを嫌う一方で、実はそのほうがラクだったという堀井さんの言葉に、共感する女性も多いのではないだろうか。しかし堀井さんは50歳という節目の年に、見本も模範もない世界へ踏み出すことを決意した。
本書では、働くこと、年齢を重ねることと仕事、美容、ヒール、車、朗読......現在の堀井さんをかたちづくってきたさまざまな事柄について、素直な気持ちが綴られている。
さらに、盟友・ジェーン・スーさんとの特別対談も収録。「OVER THE SUN」のテンポ良い2人の掛け合いが紙上で繰り広げられる。
ジェーン・スー 「今、すごくいいところにたどり着いたよね」
堀井美香 「スーちゃんは少し仕事を選んで減らす時期に入ってきたんだね」
「私の人生、このままでいいのだろうか」と悩む同世代にも、「憧れるロールモデルがいない」と嘆く後輩世代にもおすすめ。50歳で「沖に出る」ことを決めた堀井さんに、きっと勇気をもらえるはずだ。
■堀井 美香さんプロフィール
ほりい・みか/元TBSアナウンサー。現在はフリーへ。人気ポッドキャスト「OVER THE SUN」のパーソナリティとして活躍。
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