新型コロナウイルスの感染拡大で自分の仕事に影響があった人はもちろん、特に影響を受けなかった人も、今回のコロナ禍で自分の生活をどう守るかについて考えたはず。
給料は給料でもちろん必要なもの。だけど、それだけでいいのだろうか?
収入を得る場所が複数あれば、それだけ予想外の事態に強くなるかもしれない。それが時間や手間をかけず、状況を選ばないものであればなおさらだ。竹内亮介氏による『『いちばん儲かる!Amazon輸入ビジネスの極意【第2版】』(秀和システム刊)は、Amazonのプラットフォームを利用した輸入ビジネスのノウハウを解説した一冊。自宅でできること、そしてAmazonのサービスを使うことで、発送や梱包に煩わされることないという手軽さが魅力だ。
今回は竹内氏にお話をうかがい、このビジネスを取り巻く環境と、利益を出すためにやるべきこと、知るべきことを語っていただいた。
―今回の『Amazon輸入ビジネスの極意【第2版】』についてですが、2015年に刊行されたオリジナル版との違いを教えていただければと思います。
竹内:オリジナル版の時とはAmazonの仕様が変わっていますので、最新の使用に対応した形になっています。アカウントの作成方法やAmazonでの需要のリサーチ方法、商品の真贋調査などについて最新事情を解説しています。
また、中上級者向けの内容として、メーカーからの直接仕入れのノウハウですとか、商品の販促方法、Amazonへの広告掲載の効果的なやり方などもわかりやすく説明しているのもポイントです。
――真贋調査というと、偽物が出回ることもあるんですか?
竹内:そうですね。Amazonは最近審査が多くて、「この商品は本物ですか?」という審査が出品者に入ることがあるんです。初心者のアカウントほどそういう審査が入りやすいので、予防策や対応方法について書いています。
――なるほど。そういうのは初心者だとまずわかりませんね。
竹内:そう思います。だから「守り」についても大事なんです。もちろん、肝心なのは稼ぐことなので、そちらについても解説しています。今回は利益率30%超えの商品実例もいくつか取り上げています。
――それは誰が扱っても同じように利益が出るものなのでしょうか?
竹内:タイミングもありますが、出ると思います。この本を書いていたのが昨年の12月だったのですが、その時点で価格差があって、売れる条件を満たしているものです。リサーチすれば同じような商品はもっと見つかるはずです。
――価格差というのは海外のAmazonと日本のAmazonの価格差のことですね。同じ商品でも、海外のAmazonの方が安ければ、日本で売って利益になるという。
竹内:そうです。価格差があるのと、その商品を日本で売っている「ライバル」が何人いるかというのが、商品の仕入れで大切になります。
――ライバルというのは、FBA(Fulfillment By Amazon=Amazonの物流拠点に商品を預けるだけで、商品の保管から注文処理、配送、返品に関するカスタマーサービスまでをAmazonが代行するサービス)を使っている人(業者)のことですか?
竹内:そうです。たとえばAmazonで月に30個売れる商品があるとして、その商品を扱っているFBAユーザーが10人いるという状態だったら、自分が参入しても月に2、3個は売れるという計算になります。もちろんライバルが少なければ少ないほど有利になるわけです。
――そういう利益が出る商品というのも、この本のオリジナル版が出た6年前から変わりましたか?
竹内:多少の変化はあります。新しい商品も出るわけですし、世の中の状況によっても需要の変化はあるので。
――現在、コロナ禍で収入が減ったり、不安定になったりで新たな収入源が欲しい人は多いはずです。今回の本で解説されているAmazon輸入のノウハウは「安定した収入源」になりうるものなのでしょうか。
竹内:コロナということでいえば、Amazonに限らずEC全体の売上が伸びているので、ビジネスとしては追い風です。この経済状況でこれだけ伸びている市場はそんなにないはずですよ。
輸入ビジネスは大昔から今に至るまで廃れることなく続いているビジネスモデルですから、突然消えたり、できなくなったりということもありません。やり方さえ覚えれば社会状況の影響を受けずに太く長く収入を得られるものだと考えます。
――竹内さんの場合、安定して収入を得られるようになるまでどのくらいの時間がかかりましたか。
竹内:私の場合は資金ゼロでクレジットカード一枚から始めましたし、今のようにノウハウが確立されていなくて試行錯誤しながらやっていたので、稼げるようになるまで時間がかかりました。それでも一年間やって月収100万円くらいにはなりましたね。最初のうちは仕入れを少なくして、一カ月で売り切るくらいの規模をクレジット決済で仕入れて売る、というやり方でした。
――初心者であっても、リサーチすればどんな商品がどれだけ売れるかがわかるんですか?
竹内:わかります。私が始めた頃はそこまで詳細なデータはなかったのですが、今は圧倒的に便利になっています。
――リサーチツールとしてはモノレートが有名ですが、今はもうないようですね。
竹内:昨年の夏ごろにAmazonの仕様が変わってモノレートのサービスがなくなったのですが、今は代替のツールがあります。その使い方についても本の中で書いているので参考にしてみていただきたいです。
――それを使えば、リサーチはある程度機械的にできるんですか?
竹内:できます。リサーチで需要を掴んだら、少量仕入れてまず売ってみて反応を見るというのが一番リスクが少ないやり方だと思います。あまり最初から大量に仕入れると、売れなかった時に大量に在庫を抱えてしまうので。
(後編につづく)
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