ミーティングやプレゼンといった場で、趣旨の説明をしなければいけないのだが、上手くまとまらないまま話してしまったり、頭の中で構成ができていたのに緊張で自分が何を話しているのか分からなくなったりすることはないだろうか。
そして結局「何が言いたいのか分からない」と言われ、本題にしたかったことがなおざりになったり、結果的に了承を得ることができなかったりするのだ。
一方でどんなに複雑な内容もすっきりとまとめて、分かりやすく相手に伝えられる人がいる。加えて提案に説得力があるし、了承を得られやすい。こうした人の伝え方にはどんな工夫が凝らされているのか。
『仕事ができる人の話し方』(阿隅和美著、青春出版社)に、それが解説されている。
たとえば「要領よく了承を得るのがうまい人」。彼らのポイントは、何が言いたいかを結論ファーストで端的に伝えているということだ。
今から自分はどんな提案をするのか。それを一番先に述べてしまう。そうすれば話のゴールを見通することができるので、多少まわりくどくても聞いてもらえる。
「PREP法」という構成法を覚えておいてほしい。これは「Point=結論」「Reason=理由」「Evidence・Example=根拠や例え」、そして「Point=結論」の順番に話を組み立てる手法だ。この通りに話していけば、話がまとまらない人も結論先行で話すことができる。
著者の阿隅氏いわく、特にオンラインでは結論先行で端的な話し方が求められるという。ただし、言い方がきつくなりすぎると相手に悪印象を与えてしまう可能性もある。クッション言葉を入れるなどして緩和しつつ、結論から言いたいことを伝えていくといいだろう。
もう一つ、状況説明をする際に、話を広げすぎてどうにもまとまらなくなってしまうことはないだろうか。
阿隅氏によると、説明が上手な人は、はじめに全体像を手短に伝えて、話の「地図」を見せているという。つまり、冒頭に話の概要を短くまとめて伝えているのだ。
あなたは、はじめて訪れた動物園で、まずは園内地図を見てどこにどんな動物がいるのか、どこに休憩施設があるのか全体の構造を把握してからまわるはず。それと同じで、話全体の地図をまず見せてしまうのだ。
またオンラインではよりわかりやすさが求められる。説明する際には話す優先順位をしっかり決め手、取捨選択をする。それがオンライン時代に必須の伝え方だと阿隅氏は述べている。
◇
話し方次第で、相手に与える印象は大きく変わる。そして、結果も大きく変わってくる。人を動かす話し方ができるようになれば、あなたも「デキる人」になることができるだろう。
本書ではそんな話し方の極意を教えてくれる。「話のきっかけづくり」「引き出し方、盛り上げ方」「聞き上手な話し方」など、オーソドックスだが大切なものばかり。さらにオンラインではどのように伝えればいいかについても説明してくれるので、リモートで困っている人にとっては救いになるはず。
そのポイントは「相手視点」だ。ぜひ、本書を通してこの方法を覚えて、実践してみてほしい。
(新刊JP編集部)
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