人生を変えたいけれど、何をしていいのか分からない。やりたいことが見つからない。
今のままではいけないと思っているけれど、何を変えれば現状が好転するのか分からずに、結局何もできていないという人は少なくないはずだ。
人生を動かすにはコツがいる。一つ一つステップを踏んでいくことが、思い通りの人生の一番の近道だ。
『「君しかいない! 」と言われる人になる 何があっても食いっぱぐれないための起業家的習慣』(イースト・プレス刊)を上梓した今井孝さんは、『起業1年目の教科書』シリーズが10万部を超えるベストセラー作家。ご自身が起業時にとても苦労された経験があることから、起業初心者の不安な気持ちに寄り添った指導に定評がある。
今回はそんな今井さんに、人生をコントロールできるようになる「起業家的習慣」についてお話をうかがった。
(新刊JP編集部)
――まず、本書を執筆された経緯から教えてください。
今井:もともと私は、起業やマーケティングに関する本を書いてきたのですが、それらはやりたいことがあって動き始めている人や、すでにビジネスをしている人向けでした。
一方で、そうではない人たち、つまり「動かないといけない」と思いながらも、何をしていいのか分からない人たちもいます。成功者の話を読んでもなかなか自分事にしにくいし、遠い世界のように感じられるじゃないですか。そういった人たち向けの本って実はあまりないと思っていました。
そこで、今やりたいことが見つからない人が、一からやりたいことを見つけて、最終的には「君しかいないんだ」と言われる人になるために、何をやっていけばいいのかが分かる本を書こうと。
――おっしゃる通り、人生を変えたいけれどなかなか一歩を踏み出せない人は多いと思います。
今井:そうですね。漠然と日々を過ごしているという人は多いと思います。そうした人たちが、何の足がかりもないところから、自分自身の価値に気づき、やりたいことを見つけていくというステップを踏む手助けになってほしいと思って本書を執筆しました。
――この本の読者になるような方が今井さんの周囲にいらっしゃったのですか?
今井:いえ、実は一番の読者ターゲットとしてイメージしたのは過去の自分なんです。
入社1、2年目の頃は、経営者やベンチャー起業家などの憧れの人がいましたが、全く別世界にいるようで、そこに到達できる気がしませんでした。
しかし、年齢と経験を重ねる中でそこに至れる秘密のルートを見つけたわけですが、それは同時に誰でも辿ることができるルートだったんですね。しかも、今日からできることの中に、実はそのルートの一歩目がある。それが最短のルートだったんだと。
――この本はそのルートを一歩一歩前進していくための手助けをしてくれる一冊ですね。
今井:そうですね。本書で一番気を付けたのは、必ず今できることが一つ以上はあるのだと示すことです。それを実践してもらいたいなと。
本書には自分の人生を生きていくための51のステップが書かれていますが、そのステップ一つ一つに「小さなことから試してみよう!」という、具体的な行動や習慣を付記しています。
今日でも明日でも、その中からできることを見つけて実際に行動をしてもらいたい。それは実は成功している人たちも実践していたことだったりするんですね。ただ、そういった細かい習慣や行動はあまり書かれることがないので、他の本にはあまり見られないポイントかなと思います。
例えば、「一緒にいると疲れる人を5人リストアップする」とか「普段は観ない映画を1本観てみる」など、すぐにできそうなアクションリストが300個以上載っています。
――書籍のサブタイトルにある「起業家的習慣」とは、まさのこの「小さなステップをすぐに行動に移す」ということだと思いますが、この「起業家的習慣」を身につけることで、どんな風に人生は変わるのですか?
今井:最終的には「君しかいない」と言われて、どこでも食べていける人になることを目指しています。
なぜ「起業家的」と「的」を入れたのかと言うと、この本では起業家になりましょうとは言っていません。会社を辞めて、独立をして自分で食べていってもいいし、中から会社を動かして、自分の好きなことをやってもいい。
つまり、生き方として「起業家的」であることが大切だと思っています。それによって、自分の人生をコントロールできるようになるというのが、最大の利点ですね。
だから、人に指示をされて仕事をしていきたいというのであれば、この習慣は要らないと思います。漠然ながらも自分の生きたい人生があるのであれば、身につけたほうがいいのかなと。
――自分の人生をコントロールできるようになるための習慣ですね。
今井:まさに、そういう意味です。
――今井さんご自身も起業をされていますが、自分の人生をコントロールできている感覚は持たれていらっしゃるのですか?
今井:そうですね。今は自分の決めたことは必ず達成するということができています。これは成功している人ならその感覚が分かると思うのですが、決めた通りに人生が進んでいるように感じています。
――上手くいかないということはないんですか?
今井:もちろん上手くいかないこともありますが、それも想定の範囲でのことです。ある程度の失敗を許容しつつ、決めた通りに進んでいる。だから一つの失敗に精神的ダメージはないですね。
また、自分がコントロールできることとできないことを明確に分けることも重要です。
自分がコントロールでることだけに集中し、コントロールできないことには執着しません。
本書で、この切り分けが分かるので、無駄なエネルギーを使わずに、それこそ最短ルートで理想の未来に到達できるでしょう。
――本書には51のステップが書かれています。今井さんもこのステップを辿られたと思うのですが、ご自身で変化を実感できた瞬間はどのステップだったか教えていただけますか?
今井:基本的には全部のステップで変化を感じられます。例えば、序盤にあるステップ5の「上司からの評価を手放してみよう」などは、とても効果を感じられるでしょう。
やはり良い評価を受けたいと思って、上司の目を気にしながら仕事をする人も多いと思うんですけど、それで空回りしちゃうことも多いですよね。
私はもう割り切って、年間の仕事の計画や会社の目標シートに書かれた仕事以外はしないようにしていました。派手で目立ちそうな仕事も手を出さず、とにかく決めたことをやり抜くということを徹底していたんですね。そうしたら、会社としてはしっかりと仕事をしてくれているし、上司からも目標をしっかり達成できているということで、高い評価をもらえたんです。それに仕事を無暗に増やさないので、自分の時間も増えます。そういうことができましたね。
――上司からの評価って、会社員として働いている以上は絶対的だと思うんですね。そこで給料が決まるということもあります。そういう意味では、「評価を手放す」のは怖いことではないかと思います。
今井:確かにそれはあるかもしれませんね。ただ、まったく評価なんて要らないと投げやりになることではないので誤解のないようにお願いします。
良くないのは、評価されることに意識が行き過ぎることです。上司に評価してもらおうと、あれこれ手を尽くしても空回りしてしまうだけですからね。例えば、残業して頑張っている姿を見せるとか。そういうことをやめると、結果的に評価され認められますので、驚くかもしれません。
(後編に続く)
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