新型コロナ渦でリモートワークを実施する企業が増え、これまでの「仕事は会社でするもの」だった働き方はかなり多様になった。
たとえば、プライベートな空間で密も避けられることから、クルマの中を快適空間にして、車中でのリモートワークが新しい働き方のひとつとして話題となっている。その発展型がクルマで各地を移動しながら仕事+休日を楽しむワーケーションだろう。
となると、がぜん注目されるのが「車中泊」だ。『やってみよう!車中泊』(大橋保之著、中央公論新社刊)は、リモートワークやアウトドアで生きる車中泊のイロハを教えてくれる。リモートワーク、ワーケーション、そしてもちろんアウトドアでも活用できる車中泊。どんなメリットがあるのか。
車中泊の魅力でいちばん大きなものは「フレシキブルさ」だ。旅館やホテルではチェックアウトの時間や食事の時間が決まっていることが多いが、車中泊ではそこは「お好みに合わせて好きな時間に」ということになる。深夜、早朝の移動もOKだ。
なので、旅の予定に合わせてプランニングの幅が広がり、一日を有効に使える。旅先で上手く時間を活用して仕事をしながらのワーケーションにもってこいだ。
ただし、注意点は睡眠時間を削らないこと。時間を節約しようとすると、睡眠時間から削りがちになるが、クルマを運転することを考えると、睡眠時間をしっかりとることは鉄則だ。
またペットを飼って人にとっても、一緒に旅ができる車中泊は魅力的だ。最近では、愛猫や愛犬と宿泊できる宿もあるが、まだ数は少なく、注意や準備が必要。それに対し、車中泊ならば、ペットと一緒に就寝する場所に困ることはない。もちろん宿泊費を削減できることも大きいだろう。
一方、デメリットもある。非日常ということは、いつもと異なる就寝環境でもある。「枕が変わると眠れない」という神経質な人もいるだろうし、周囲の音が気になる人もいるはず。特に車中泊をする場所選びはかなり重要で、車中泊専用駐車場ともいえるRVパークなど、車を停めることが可能な場所のチェックが必要だ。
また、春夏秋冬、それぞれの季節で対策も必要。長時間同じ態勢で過ごしたあと、急に呼吸困難やショックを起こすエコノミー症候群の予防法の知識も学んでおかなければならない。安全に車中泊を楽しむためにも、デメリットの面の対策もしっかりしておくことも忘れないようにしたい。
子どもの頃に押し入れで遊んだなど、秘密基地的な要素があるのも、楽しめるところだ。もし所有の自動車がミニバンやステーションワゴン、SUVの車種ならキャンピングカーを購入しなくても、シートをアレンジして気楽に始められる。ソロキャンプ、リモートワーク、ワーケーションとさまざまな活用法がある車中泊を試してみてはどうだろう。良い気晴らしにもなるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)
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